建設業許可の「機械器具設置工事業」とは?

建設業許可の「機械器具設置工事業」とは?

こんにちは。
大阪府吹田市の行政書士いわた事務所です。

組み立てを必要としない機械器具は、「機械器具設置工事」に該当しません。
他の専門工事と重複するところもあり、その場合は専門工事に基本的には分類されます。

この記事では、「機械器具設置工事業」で建設業許可を受けたい方に向けて説明しています。

1.「機械器具設置工事業」の役割

建設業許可事務ガイドラインには、以下のように記載されています。

”機械器具の組立て等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取付ける工事”

「機械器具設置工事業」は、機械器具の組立などにより、工作物を建設、または工作物に取り付ける工事のことです。
建設現場で複数のものを組み立てて連動させる工事であるため、組み立てなどを必要としない機械器具は、「機械器具設置工事」に該当しません。

どのような工事なのか、次の例示があります。

  1. プラント設備工事
    発電プラント、鉄鋼プラント、石油プラントなど巨大な装置をもつエネルギー施設の工事です。
  2. 運搬機器設置工事
    ベルトコンベアの設置や昇降機(エレベーター)設置の工事です。
  3. 内燃力発電設備工事
  4. 集塵機器設備工事
  5. 給排気機器設置工事
    トンネル、地下道等の給排気用に設置される機械器具に関する工事です。
    建築物の中に設置される通常の空調機器の設置工事は、管工事になります。
  6. 楊排水機器設置工事
  7. ダム用仮設備工事
  8. 遊技施設設置工事
  9. 舞台装置設置工事
  10. サイロ設置工事
    米・小麦・とうもろこし・大豆等の農産物、家畜の飼料を蔵置・収蔵する倉庫、容器等の設備工事です。
  11. 立体駐車場設備工事

2.「機械器具設置工事業」と似た工事

  1. 「管工事」との違い
    建築物の中に設置される空調機器の設置工事は、「管工事」に該当します。
    トンネル、地下道などの給排気用に設置される機械器具は、「機械器具設置工事」に該当します。
  2. 「清掃施設工事」との違い
    公害防止施設を単体で設置する工事は「清掃施設工事」ではなく、それぞれの公害防止施設の種類で判断します。
    排水処理設備の場合は「管工事」、集じん設備であれば「機械器具設置工事」と区分されます。

3.「機械器具設置工事業」の専任技術者になるには?

専任技術者になるには、以下のパターンがあります。

  1. 「機械器具設置工事業」に関して10年以上の実務経験があること
    特定建設業は、2年以上の指導監督的実務経験が必要です。
  2. 機械器具設置工事業」に関する所定学科を卒業して、実務経験が一定期間あること
    建築学、機械工学又は電気工学に関する学科
     中学・高校卒業の場合は、卒業後の実務経験5年以上
     大学・高等専門学校の場合は、卒業後の実務経験3年以上
     専修学校の場合は、卒業後の実務経験5年以上(専門士、高度専門士であれば3年以上)
     特定建設業は、2年以上の指導監督的実務経験が必要です。
  3. 機械器具設置工事業」に対応している資格を持っていること
    「7」・・・国家資格取得者等
    「7※」・・・国家資格取得者等+実務経験3年 
    「7○」・・・国家資格取得者等+実務経験5年
    「8」・・・一般建設業の要件を満たす国家資格+2年以上の指導監督的実務経験
    「8※」・・・一般建設業の要件を満たす国家資格+実務経験3年+2年以上の指導監督的実務経験
    「8○」・・・一般建設業の要件を満たす国家資格+実務経験5年+2年以上の指導監督的実務経験
    「9」・・・国家資格取得者等
コード資格一般特定
建設業法(技術検定)201級建築施工管理技士7※8※
2C1級建築施工管理技士補7※8※
212級建築施工管理技士(種別:建築)7○8○
222級建築施工管理技士(種別:躯体)7○8○
232級建築施工管理技士(種別:仕上げ)7○8○
2D2級建築施工管理技士補7○8○
271級電気工事施工管理技士7※8※
2E1級電気工事施工管理技士補7※8※
282級電気工事施工管理技士7○8○
2F2級電気工事施工管理技士補7○8○
291級管工事施工管理技士7※8※
2G1級管工事施工管理技士補7※8※
302級管工事施工管理技士7○8○
3A2級管工事施工管理技士補7○8○
技術士法45機械 ・ 総合技術監理 (機械)79
46機械 「流体工学」又は「熱工学」 ・ 総合技術監理 (機械 「流体工学」又は「熱工学」)79