ゼロからわかる!「清掃施設工事業許可」の取り方と知っておくべきポイント
プラント建設工職人として、あなたの技術と情熱をさらに大きく花開かせたい。
そうお考えなら、「清掃施設工事業許可」の取得は避けて通れない大切なステップです。
この記事では、清掃施設工事業許可の取得要件から見落としがちなポイントまで、あなたが知りたい情報をわかりやすく解説していきます。
1.「清掃施設工事業」の範囲を明確に!作業内容と他業種との違い
清掃施設工事業は、ゴミ焼却場やし尿処理施設といった、廃棄物を適切に処理するための施設を建設する、非常に重要なお仕事ですね。
具体的にどのような作業が含まれるのか、そして他の業種とどう違うのか、ご説明しますね。
「建設工事の内容を定める告示」に基づく清掃施設工事業の作業内容
まず、「建設工事の内容を定める告示」という国のルールでは、清掃施設工事業は以下のように定義されています。
- 清掃施設工事
ごみ処理施設又はし尿処理施設を建設する工事
簡単に言うと、ごみ焼却施設や埋立処分場、し尿処理施設など、廃棄物の処理を行うための施設を造る工事全般を指します。
「建設業許可事務ガイドラインの例示」に基づく具体的な作業内容
次に、「建設業許可事務ガイドライン」という、許可を出す側の行政が参考にしている資料には、もっと具体的な例が載っています。
これらの例を一つずつ詳しく見ていきましょう。
- ごみ処理施設工事
- 家庭や事業所から排出されるごみを、焼却したり、資源としてリサイクルしたり、最終処分したりするための施設を建設する工事です。
- 具体的には、ごみ焼却炉の設置、排ガス処理設備、灰処理設備、ごみピット、クレーン、破砕・選別設備、汚水処理設備、煙突などの建設・設置が含まれます。単に建物を建てるだけでなく、これらの複雑な機械設備や、それらを動かすための電気・計装設備なども含めて、総合的に処理施設としての機能を構築していきます。リサイクルプラントや最終処分場(埋立地)の造成なども関連する場合があります。
- し尿処理施設工事
- 家庭などから排出されるし尿を衛生的かつ適切に処理するための施設を建設する工事です。
- 具体的には、し尿の受け入れ施設、凝集沈殿槽、生物処理槽、消毒設備、汚泥処理設備、脱臭設備などの築造や設置が含まれます。微生物の働きを利用したり、化学薬品を使ったりと、高度な処理技術が求められるため、それに対応する施設の設計・建設が重要になります。
間違いやすい他の業種との切り分け
ここがとても大切なポイントです。
清掃施設事業と間違えやすい業種がいくつかありますので、しっかり区別できるようにしましょう。
- 土木一式工事との違い
- 土木一式工事は、道路、橋、ダム、河川、造成など、「土地そのものや土地に付随する大規模な工作物」 を総合的に建設する工事です。
- 清掃施設工事も土木工事の一種ですが、土木一式工事はより広範な概念です。例えば、最終処分場の造成や地盤改良といった、土地そのものを大規模に造成する工事は土木一式工事に該当することが多いです。
- 切り分けのポイント:「ごみ処理やし尿処理」という特定の機能を持つ「施設そのもの」の建設が主目的であれば清掃施設工事。それらの施設建設に伴う「大規模な土地造成やインフラ整備」であれば土木一式工事が主となります。ただし、清掃施設工事を行う上で、基礎工事や大規模な土工事が発生することは多いため、線引きが難しい場合もあります。
- 建築一式工事との違い
- 建築一式工事は、建物という一つの構造物を、基礎から屋根、内装、設備まで、全体をまとめて請け負い、総合的に完成させる工事です。清掃施設も「建物」としての側面はありますが、その主要な機能は「廃棄物処理設備」にあります。
- 清掃施設工事業は、「廃棄物処理という特定の機能を持つ施設(建屋とその内部設備全体)の建設」 に特化しています。
- 切り分けのポイント: 建物の居住性や利用空間の創出が主目的であれば建築一式工事。廃棄物処理機能を持つ「特殊な設備群を内包する施設全体」の建設が主目的であれば清掃施設工事。
清掃施設工事においては、その建屋部分(建物構造そのもの)も工事範囲に含まれることがありますが、その建屋は処理設備を収容するためのものであるという目的が明確です。
- 切り分けのポイント: 建物の居住性や利用空間の創出が主目的であれば建築一式工事。廃棄物処理機能を持つ「特殊な設備群を内包する施設全体」の建設が主目的であれば清掃施設工事。
- 機械器具設置工事との違い
- 機械器具設置工事は、工場生産設備、運搬機器、立体駐車場など、「特定の機能を持つ機械器具そのものを設置する」 工事です。清掃施設の中には、焼却炉やクレーン、ポンプなど様々な機械器具が設置されます。
- 清掃施設工事業は、単に機械を設置するだけでなく、その機械が機能するための建屋や配管、電気設備なども含めた「施設全体」を建設することが範囲となります。
- 切り分けのポイント: 単体の機械を設置する」のが機械器具設置工事、「その機械が集合して一つの機能(廃棄物処理)を果たす施設全体を造る」のが清掃施設工事です。
- 水道施設工事との違い
- 水道施設工事は、上水道、工業用水道、下水道などの「水の供給・処理に関する施設」を造る工事です。
- 清掃施設工事業は、主に固形廃棄物(ごみ)やし尿の処理施設が対象です。下水処理場は「水道施設工事」に該当します。
- 切り分けのポイント: 「水(飲用水、下水)」を対象とするか、「固形廃棄物やし尿」を対象とするかで明確に区別されます。
2.「清掃施設工事業」で一般建設業許可を取得するための要件や注意点
ここからは、実際に許可を取得するための大切な要件について、最新の情報も踏まえてご説明しますね。
以前よりも緩和された部分もありますので、ぜひ前向きにご検討ください。
建設業許可の5つの基本要件
一般建設業許可を取得するためには、大きく分けて以下の5つの要件を満たす必要があります。
- 経営業務の管理責任者等
- 営業所ごとに置く専任の技術者(旧:専任技術者)
- 財産的基礎又は金銭的信用
- 欠格要件に該当しないこと
- 誠実性
一つずつ、分かりやすくご説明しますね。
1.経営業務の管理責任者等
以前は「経営業務の管理責任者(通称:経管)」という、かなり厳しい要件がありましたが、令和2年10月1日からは「経営業務の管理責任者等」という新しい要件に緩和されました。
これは、経営経験のある方がいなくても、経験のある方を補佐する体制が整っていれば許可が取れるようになったということです。
具体的には、以下のいずれかに該当する必要があります。
- (A)経営業務の管理責任者としての経験を持つ方
- 建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
- 建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(経営業務を執行する権限の委任を受けた者に限る)として経営業務を管理した経験を有する者
- 建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験を有する者
- (B)適切な経営体制が構築されている方
- 建設業に関し、2年以上役員等としての経験を有し、かつ、5年以上役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位にある者(財務管理、労務管理又は業務運営の業務を担当するものに限る。)としての経験を有する者
- 5年以上役員等としての経験を有し、かつ、建設業に関し、2年以上役員等としての経験を有する者
さらに、以下を有するものを置く必要があります。- 申請を行う会社で、建設業の財務管理について役員等に次ぐ職制上の地位の経験を5年以上有する者
- 申請を行う会社で、建設業の労務管理について役員等に次ぐ職制上の地位の経験を5年以上有する者
- 申請を行う会社で、建設業の業務運営について役員等に次ぐ職制上の地位の経験を5年以上有する者
ここがポイント:- 以前のように社長さんや役員の方が必ずしも長年の建設業経営経験を持っている必要がなくなりました。経験豊富なナンバー2の方や、会社の財務・労務をしっかりと管理できる方がいれば、許可取得の道が開ける可能性が高まりました。
- 常勤役員等は、原則としてその会社の役員や個人事業主でなければなりません。
- 経験を証明する書類(確定申告書、工事請負契約書など)が必要になりますので、日ごろからきちんと保管しておくことが大切です。
2.営業所ごとに置く専任の技術者(旧:専任技術者)
以前は「専任技術者」と呼ばれていましたが、要件の本質は変わりません。
各営業所に、その業種に関する専門知識と経験を持った技術者(「営業所技術者」と呼ぶこともあります)を常勤で配置する必要があります。
清掃施設工事業の場合、以下のいずれかの要件を満たす方が必要です。
- (A)国家資格を持っている方
- 建設業法「技術検定」:合格証明書
- 一級土木施工管理技士:合格後3年以上の実務経験
- 一級土木施工管理技士補:合格後3年以上の実務経験
- 二級土木施工管理技士(土木、鋼構造物塗装、薬液注入):合格後5年以上の実務経験
- 二級土木施工管理技士補(土木、鋼構造物塗装、薬液注入):合格後5年以上の実務経験
- 一級建築施工管理技士:合格後3年以上の実務経験
- 一級建築施工管理技士補:合格後3年以上の実務経験
- 二級建築施工管理技士(建築、躯体、仕上げ):合格後5年以上の実務経験
- 二級建築施工管理技士補:合格後5年以上の実務経験
- 一級管工事施工管理技士:合格後3年以上の実務経験
- 一級管工事施工管理技士補:合格後3年以上の実務経験
- 二級管工事施工管理技士:合格後5年以上の実務経験
- 二級管工事施工管理技士補:合格後5年以上の実務経験
- 一級造園施工管理技士:合格後3年以上の実務経験
- 一級造園施工管理技士補:合格後3年以上の実務経験
- 二級造園施工管理技士:合格後5年以上の実務経験
- 二級造園施工管理技士補:合格後5年以上の実務経験
- 技術士法「技術士試験」:登録証
- 衛生工学「廃棄物・資源循環」又は「汚物処理」・総合技術監理(衛生工学「廃棄物・資源循環」)
- 建設業法「技術検定」:合格証明書
- (B)実務経験が豊富な方
- 清掃施設工事業に関する実務経験が10年以上ある方
- 指定学科(土木工学、建築学、機械工学、都市工学、衛生工学)を卒業している場合、経験年数が短縮されます。
- 大学・高専卒業:3年以上
- 高校卒業:5年以上
ここがポイント:- 実務経験10年というのは、個人事業主としての経験も含まれます。
- 経験を証明するためには、工事請負契約書、請求書、入金確認ができる通帳のコピーなど、具体的な証拠書類が必要になります。曖昧な記憶ではなく、客観的に証明できるものを用意しましょう。
- 専任性について: 営業所技術者は、その営業所に常勤している必要があります。他の会社に籍を置いていたり、他の事業を兼業していたりする場合は認められません。
3.財産的基礎又は金銭的信用
会社にお金がきちんとあるか、信用があるか、という要件です。
一般建設業許可の場合は、以下のいずれかを満たす必要があります。
- 自己資本が500万円以上あること
直前の決算書(貸借対照表)の「純資産の額」が500万円以上であればOKです。 - 500万円以上の資金を調達する能力があること
預金残高証明書などで500万円以上の残高を証明できればOKです。申請日直前の残高証明書が必要です。 - 許可申請直前の過去5年間、継続して建設業の許可を受けて営業した実績があること
すでに許可をお持ちで更新される方などはこちらの要件でクリアできます。
ここがポイント:- 「500万円以上の資金を調達する能力」は、申請時に一時的に預金残高を増やして証明することも可能です。ただし、一時的な増額は、将来の経営に影響が出ないよう、慎重に検討しましょう。
4.欠格要件に該当しないこと
建設業の許可を取り消されたり、法律に違反したりしたことがないか、という要件です。
具体的には、以下のような事項に該当しないことが必要です。
- 成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない者
- 不正な手段で許可を受けた、または営業停止処分に違反したことにより許可を取り消されてから5年が経過していない者
- 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年が経過していない者
- 建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法などの特定法令に違反して罰金刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年が経過していない者
- 暴力団員、または暴力団員でなくなった日から5年が経過していない者
- 未成年者で、その法定代理人が上記のいずれかに該当する者
ここがポイント:- 役員全員、政令で定める使用人(支店長など)、総株主の議決権の5%以上を有する個人株主、個人事業主本人などが対象となります。
5.誠実性
請負契約の締結や履行において、不正または不誠実な行為をするおそれがないこと、という要件です。
- 具体的には、契約内容を故意に履行しなかったり、請負代金をごまかしたり、他社を欺いたりするような行為がないことが求められます。
- 過去に建設業法違反などがあった場合、誠実性が認められないことがあります。
社会保険について
建設業許可の取得には、社会保険(健康保険、厚生年金保険)への加入が必須です。
- 法人であれば、従業員の有無にかかわらず、社長さん一人でも加入義務があります。
- 個人事業主の場合も、従業員を5人以上雇用していれば加入義務があります。
- 雇用保険も、従業員を雇用していれば加入義務があります。
ここがポイント:- 未加入の場合は、許可申請前に加入手続きを済ませておく必要があります。これは、建設業界全体の健全化を目指す国の動きとして、非常に重視されています。
その他、許可取得に向けた注意点
- 申請書類の準備: 必要書類は非常に多く、複雑です。ご自身で準備される場合は、時間と労力がかかります。
- 実務経験の証明: 工事請負契約書、注文書、請求書、入金確認ができる通帳のコピーなど、具体的な証拠書類を漏れなく揃えることが重要です。
- 営業所の確認: 営業所がきちんと機能しているか(独立したスペースがあるか、看板があるかなど)も確認されます。バーチャルオフィスなどは認められません。
- 経営業務の管理責任者等と営業所技術者の兼任: 要件を満たせば、同一人物が両方を兼ねることも可能です。ただし、その人が実態としてそれぞれの業務を遂行できる状況にある必要があります。
- 役員変更登記など: 許可申請前に役員や商号変更などが必要な場合は、事前に済ませておく必要があります。
清掃施設工事業の許可取得は、決して簡単な道のりではありませんが、要件が緩和されたことで、以前よりも取得しやすくなっています。
許可取得はゴールではなく、新たなスタートラインです。
この情報が、あなたの事業の発展に少しでも貢献できれば幸いです。

