【建設業許可】解体工事業を取得したい

解体工事

建設業許可の29業種のうち、「解体工事業」の押さえておきたいことをまとめています。

「解体工事業を取得したいけど、どうするの?」

などと、思ってはおられませんか?

解体業を営むには、「建設業許可」または「解体工事業登録」が必要です。
解体工事など建設業許可を持っていない場合、500万円未満の軽微な解体工事でも、解体工事業登録が必要となります。

1.「解体工事業」の役割

建設業許可事務ガイドラインにより、「解体工事業」は次のように定められています。

”工作物の解体を行う工事”

「解体工事業」は、家屋や建物などの建造物を取り壊す工事です。
新たに家屋を建て替えをする前に、取り壊すのも解体工事に該当します。

どのような工事なのか、次の例示があります。

  • 工作物解体工事

工作物の解体を行う工事は、従前は「とび・土工・コンクリート工事」の区分に該当していました。
平成28年6月1日に施行された建設業法の改正で、「とび・土工・コンクリート工事」から分離されました。

「解体工事業」と似た工事

解体工事は、それぞれの専門工事で建設される目的物について、それのみを解体する場合は、各専門工事に分類されます。
総合的な企画・指導・調整に基づいて土木工作物や建築物を解体する場合は、「土木一式工事」や「建築一式工事」に該当します。

「内装仕上工事」、「土木一式工事」および「建築一式工事」との違い

店舗の内装工事をするために、古い内装を解体撤去するよう場合は「内装仕上工事」に該当します。
土木工作物を新たに建設するために、解体する工事は「土木一式工事」も該当します。
建築物を新たに建設するために、解体する工事は「建築一式工事」に該当します。

2.「解体工事業」の許可を取得するには

「解体工事業」の建設業許可を取得するには、経営業務の管理責任者等の共通要件に加え、「解体工事業」の専任技術者が必要です。

共通要件については、以下のページにて記載しています。

【建設業許可の要件】クリアすべき7つの要件

建設業許可を取得するなら、要件を確認する必要があります。 「どういう要件があるの?」「要件なんて、どうにでもなるでしょ?」 などと、思ってはおられませんか? 各要…

「解体工事業」で専任技術者になれる方は次のような人です。

(1)「解体工事業」に対応している資格を持っていること

◎:特定建設業の営業所専任技術者(又は監理技術者)となり得る国家資格等
○:一般建設業の営業所専任技術者(又は主任技術者)となり得る国家資格等

資格実務種類
一級土木施工管理技士※2
二級土木施工管理技士(土木)※2
一級建築施工管理技士※2
二級建築施工管理技士(建築)※2
二級建築施工管理技士(躯体)※2
建設・総合技術監理(建設)(技術士試験)※2
建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術管理(建設「鋼構造物及びコンクリート」)(技術士試験)※2
とび•とび工(技能検定)※1
解体工事
具体的には公益社団法人全国解体工事業団体連合会が行う解体工事施工技士試験が該当します。

※1:2級は、合格後3年以上の実務経験。平成16年4月1日時点で合格していた者は実務経験1年以上。

※2:平成27年度までの合格者は、解体工事に関する1年以上の実務経験を有している又は登録解体工事講習を受講していることが必要。

一般建設業における「解体工事業」の専任技術者になるための要件しか満たしていなくても、4,500万円以上の「解体工事業」の元請工事を2年以上指導監督した実務経験があれば、特定建設業における「解体工事業」の専任技術者になることができます。

(2)「解体工事業」に関して10年以上の実務経験があること

(3)「解体工事業」に関する所定学科を卒業して、実務経験が一定期間あること

解体工事業に関する所定学科は以下です。

  • 土木工学
  • 建築学

所定学科の中学・高校卒業の場合は、卒業後の実務経験5年以上
所定学科の大学・高等専門学校の場合は、卒業後の実務経験3年以上
所定学科の専修学校の場合は、卒業後の実務経験5年以上(専門士、高度専門士であれば3年以上)

3.まとめ

大まかに、まとめてみると。

  • 家屋や建物などの建造物を取り壊す工事である。
  • 「解体工事業」ではなく、「内装仕上工事」、「土木一式工事」や「建築一式工事」に当てはまる場合もあるので、注意が必要である。
  • 「解体工事業」の建設業許可を取得するには、共通要件に加え、「解体工事業」の専任技術者が必要である。
  • 解体工事にかかる建設業許可を持っていない場合、500万円未満の軽微な解体工事でも、解体工事業登録が必要となる。

「解体工事業」は、建物の種類や重機の搬入の可否によって工法が異なります。
老朽化した建物の解体は、今後も増加する見込みがあるため、「解体工事業」の需要は高まります。

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