【建設業許可】しゅんせつ工事業を取得したい

建設業許可の29業種のうち、「しゅんせつ工事業」の押さえておきたいことをまとめています。
「しゅんせつ工事業を取得したいけど、どうするの?」
などと、思ってはおられませんか?
「しゅんせつ工事業」は、普段の生活に直接関わりはありませんが、船の航路を整備することは社会にとって重要な業種です。
1.「しゅんせつ工事業」の役割
建設業許可事務ガイドラインにより、「しゅんせつ工事業」は次のように定められています。
”河川、港湾等の水底をしゅんせつする工事”
「しゅんせつ工事業」とは、河川、港湾等の水底をしゅんせつする工事です。
安全な海の道をつくるために、浚渫(しゅんせつ)船という船を使って海底の土砂をすくい取る工事です。
船が安全に運航するには、一定の水深が必要です。
浅すぎる場所を船が通ると、船底が水底に接触して大変危険です。
海底や川底を整備することで、安全な運航が保たれます。
どのような工事なのか、次の例示があります。
- しゅんせつ工事
しゅんせつ工事には、「ポンプ浚渫(しゅんせつ)」と「グラブ浚渫(しゅんせつ)」があります。
「ポンプ浚渫」は、ストローで吸い上げるように、土砂と海水を一緒に吸い上げて海底を掘り下げる工事のことです。
面積が広くて、大量の土砂を扱う場合に使用されます。
「グラブ浚渫」は、海底の土砂をつかみ取って掘り下げる工事です。
岸壁などの構造物の近くや、狭い場所での工事も可能で、ポンプ浚渫船より固い土でも大丈夫です。
「しゅんせつ工事業」と似た工事
「しゅんせつ工事」は他の工事と似通っていないため、他工事と間違えるようなことはないかと思います。

2.「しゅんせつ工事業」の許可を取得するには
「しゅんせつ工事業」の建設業許可を取得するには、経営業務の管理責任者等の共通要件に加え、「しゅんせつ工事業」の専任技術者が必要です。
共通要件については、以下のページにて記載しています。
「しゅんせつ工事業」で専任技術者になれる方は次のような人です。
(1)「しゅんせつ工事業」に対応している資格を持っていること
◎:特定建設業の営業所専任技術者(又は監理技術者)となり得る国家資格等
○:一般建設業の営業所専任技術者(又は主任技術者)となり得る国家資格等
資格 | 実務 | 種類 |
---|---|---|
一級土木施工管理技士 | ◎ | |
二級土木施工管理技士(土木) | ○ | |
建設・総合技術監理(建設)(技術士試験) | ◎ | |
建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術管理(建設「鋼構造物及びコンクリート」)(技術士試験) | ◎ | |
水産「水産土木」・総合技術監理(水産「水産土木」)(技術士試験) | ◎ | |
登録海上起重基幹技能者 | ○ |
一般建設業における「しゅんせつ工事業」の専任技術者になるための要件しか満たしていなくても、4,500万円以上の「しゅんせつ工事業」の元請工事を2年以上指導監督した実務経験があれば、特定建設業における「しゅんせつ工事業」の専任技術者になることができます。
(2)「しゅんせつ工事業」に関して10年以上の実務経験があること
(3)「しゅんせつ工事業」に関する所定学科を卒業して、実務経験が一定期間あること
しゅんせつ工事業に関する所定学科は以下です。
- 土木工学
- 機械工学
所定学科の中学・高校卒業の場合は、卒業後の実務経験5年以上
所定学科の大学・高等専門学校の場合は、卒業後の実務経験3年以上
所定学科の専修学校の場合は、卒業後の実務経験5年以上(専門士、高度専門士であれば3年以上)
3.まとめ

大まかに、まとめてみると。
- 河川、港湾等の水底をしゅんせつする工事である。
- 「しゅんせつ工事」は他の工事と似通っていないため、他工事と間違えるようなことはないでしょう。
- 「しゅんせつ工事業」の建設業許可を取得するには、共通要件に加え、「しゅんせつ工事業」の専任技術者が必要である。
しゅんせつ工事を行わないと、船にとって大事故に繋がるため、非常に重要な工事です。
特殊な工事であるため、施工できる会社は少なく需要が高い工事です。
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