持っていない許可の工事も受けていい?「附帯工事」のルールをやさしく解説!

今日は、建設業の「附帯工事(ふたいこうじ)」についてお話しします。
「附帯工事」とは、メインの工事にくっついてくる、おまけの工事のことです。

このルールを知っていると、取っていない許可の工事もできるようになります。
みなさまのビジネスの幅を広げるために、心を込めて解説しますね。

1.許可がない工事も「ついで」なら受けてもいい?

建設業のルールでは、自分が持っている許可の工事しか受けてはいけません。
これが建設業法(工事のルールを決めた法律)の基本です。
しかし、現場では「メインの工事」のほかに、別の工事が必要になることがあります。

たとえば、キッチンの入れ替え工事を頼まれたとします。
メインは「管工事(水回りの工事)」ですよね。
でも、キッチンの壁を少し直す「大工工事」も必要になります。

このとき、大工の許可がないからといって、工事を断らなければならないのでしょうか。
それでは、注文したお客さまも困ってしまいますよね。
そこで法律は、メインの工事に「くっついてくる工事」なら受けてもよいと決めました。

これが、建設業法第4条(工事をセットで受けてもよいという決まり)の内容です。
この「おまけの工事」のことを、法律では「附帯工事」と呼んでいます。

2.どんな工事が「附帯工事」になれるの?

附帯工事として認められるには、いくつかの条件があります。
ただ「ついでだから」という理由だけで、なんでも受けていいわけではありません。
ガイドライン(役所が作ったルールの手引き)では、こう説明されています。

  • メインの工事を完成させるために、どうしても必要な工事であること。
  • メインの工事をやったことで、ついでに必要になった工事であること。
  • その工事自体が、独立した目的を持っていないこと。

つまり、メインの工事と「切っても切れない関係」にあることが大切です。
お客さまが「一気にまとめてやってほしい」と思うような自然な流れが必要なのです。

🤨 金額のルールに注意しましょう

多くの役所では、金額のバランスもチェックしています。
「メインの工事代金」よりも「おまけの工事代金」が安くなければなりません。
おまけのほうが高いと、どっちがメインかわからなくなってしまうからです。

ただし、例外もあります。
たとえば、煙突を少しだけ直す工事を想像してください。
工事自体は安くても、高いところへ登るための「足場」にお金がかかります。
この場合、足場代のほうが高くなっても、附帯工事として認められることがあります。

大事なのは、金額だけではなく「工事の中身」と「お客さまの気持ち」です。

3.附帯工事をするときの「守るべき約束」

許可を持っていない工事を請け負った場合、守らなければならない大事なルールがあります。
それは、建設業法第26条の2(技術者を置かなければならないというルール)です。
いくら「おまけ」といっても、工事の品質が低くては困るからです。

附帯工事をするときは、次のどちらかを選ばなければなりません。

  • 自社で工事をする場合
    その工事の専門知識を持つ「専門技術者」を現場に置く。
  • 下請けに出す場合
    その工事の許可を持っている「別の会社」に工事をお願いする。

🙄 専門技術者ってだれのこと?

専門技術者とは、その工事について「主任技術者(現場の責任者)」になれる資格を持つ人のことです。
たとえば、おまけの工事が「電気工事」なら、電気の資格を持った人を置かなければなりません。

もし自社に資格を持った人がいない場合は、無理に自社でやってはいけません。
必ず、その許可を持っている会社に下請けとして入ってもらってください。

4.よくある質問と回答(Q&A)

国土交通省(建設業をまとめているお役所)に寄せられた質問を見てみましょう。

  • 質問1:許可のない工事を下請けに出せますか?
    • Q. 当社は設備工事をしています。管工事の許可はありますが、熱絶縁(熱を逃がさない処置)の許可はありません。附帯工事として、熱絶縁の許可を持っている会社に下請けに出せば、工事を受けてもいいですか?
  • 回答:はい、大丈夫です。
    附帯工事の許可を自社で持っていなくても、許可を持っている会社に下請けに出せば、全体を請け負うことができます。 ただし、自社で施工する場合は、資格を持った「専門技術者」が必要になるので注意してください。
  • 質問2:資格者がいない場合はどうすればいいですか?
    • Q. 当社は「機械器具設置」の許可を持っています。いつも「電気工事」がおまけでついてきますが、電気の許可も、電気に詳しい技術者もいません。どうすればいいでしょうか?
  • 回答:許可を持っている業者に下請けに出しましょう。
    おまけの工事が500万円を超えるような場合で、自社に技術者がいないときは、自分たちでやってはいけません。 必ず、電気工事の許可を持っている建設業者と「下請契約(仕事を任せる契約)」を結んでください。

5.まとめとアドバイス

附帯工事のルールをまとめます。

  • メインの工事にくっつく「おまけ」なら、許可がなくても請け負える。
  • 基本的には、メインの工事代金よりも安く収める。
  • 自社で工事をするなら、資格を持ったプロ(専門技術者)を置く。
  • 資格者がいないなら、許可を持っている別の会社に下請けしてもらう。

このルールを正しく使えば、お客さまに「まるごと全部お任せください!」と言えるようになります。
反対に、ルールを無視して適当に工事をしてしまうと、法律違反になってしまいます。

📚 参考になる資料

この記事を書くにあたって、以下の資料を参考にしました。

  • 建設業法 第4条(附帯工事の決まり)
  • 建設業法 第26条の2 第2項(技術者の配置について)
  • 建設業許可事務ガイドライン(国土交通省が作った詳しいルール)
  • 建設業法令遵守ハンドブック(国土交通省 東北地方整備局)
  • 建設業法解説 改訂13版(大成出版社)

もしお手元に書類があれば、ぜひ照らし合わせてみてください。
これからも、経営者のみなさまに寄り添った、わかりやすい情報をお届けしていきます。