建設業許可の「鋼構造物工事業」とは?
こんにちは。
大阪府吹田市の行政書士いわた事務所です。
「鋼構造物工事」のイメージは、鉄骨の製作、加工、溶接、組み立てまでを一貫して請け負う工事です。
この記事では、「鋼構造物工事」で建設業許可を受けたい方に向けて説明しています。
1.「鋼構造物工事業」の役割
建設業許可事務ガイドラインには、以下のように記載されています。
”形鋼、鋼板等の鋼材の加工または組み立てにより工作物を築造する工事”
形鋼(かたこう)とは、「H形」や「山形」などの断面が一定の形に成形された鋼材です。
H形鋼をはじめ、山形鋼、I形鋼など数多くある品種の総称です。
鋼板(こうはん)とは、板状に加工された鋼のことです。
どのような工事なのか、次の例示があります。
- 鉄骨工事
- 橋梁工事
- 鉄塔工事
- 石油・ガス等の貯蔵用タンク設置工事
- 屋外広告工事
- 閘門・水門等の門扉設置工事
鋼構造物工事は、型鋼や鋼板などの鋼材の加工や組立により、工作物を築造する工事です。
鉄骨造りの建物や、鋼構造物の橋梁(きょうりょう)、鋼製水門などの河川管理施設、ガスタンクなど、主要部分が鋼材の構造物を指します。
鉄筋コンクリート造りや鉄鋼鉄筋コンクリート造りなどの埋め込まれた鉄筋や鉄骨は、鋼構造物に含まれないとされています。
2.「鋼構造物工事業」と似た工事
- 「とび・土工・コンクリート工事」との違い
「鋼構造物工事」の鉄骨工事は、鉄骨の製作、加工、溶接、組み立てまでを一貫して請け負う工事が該当します。現場で屋外広告物の製作、加工から設置までを一貫して請け負います。
「とび・土工・コンクリート工事」の鉄骨組立工事は、既に加工された鉄骨を現場で組み立てのみを行う工事です。 - 「建築一式工事」との違い
ビルの外壁に固定された避難階段を設置する工事は、「鋼構造物工事」または「建築一式工事」に該当します。
ビル全体を建築しているときに設置するのであれば、「建築一式工事」です。
出来上がった建物にあとから追加するのであれば、「鋼構造物工事」です。
3.「鋼構造物工事業」の専任技術者になるには?
専任技術者になるには、以下のパターンがあります。
- 「鋼構造物工事業」に関して10年以上の実務経験があること
一般建設業のみで、特定建設業はなることはできません。 - 「鋼構造物工事業」に関する所定学科を卒業して、実務経験が一定期間あること
土木工学、建築学、又は機械工学に関する学科
中学・高校卒業の場合は、卒業後の実務経験5年以上
大学・高等専門学校の場合は、卒業後の実務経験3年以上
専修学校の場合は、卒業後の実務経験5年以上(専門士、高度専門士であれば3年以上)
一般建設業のみで、特定建設業はなることはできません。 - 「鋼構造物工事業」に対応している資格を持っていること
「7」・・・国家資格取得者等
「7※」・・・国家資格取得者等+実務経験3年
「7○」・・・国家資格取得者等+実務経験5年
「9」・・・国家資格取得者等
鋼構造物工事業が含まれる「指定建設業」とされている7業種は、総合的で高度な施工技術が求められる建設工事であるため、他の建設業種よりも厳しい基準が設けられています。
特定建設業許可では、資格+経験で専任技術者や監理技術者となることはできません。
コード | 資格 | 一般 | 特定 | |
---|---|---|---|---|
建設業法(技術検定) | 13 | 1級土木施工管理技士 | 7※ | 9 |
14 | 2級土木施工管理技士(種別:土木) | 7○ | ||
20 | 1級建築施工管理技士 | 7 | 9 | |
2C | 1級建築施工管理技士補 | 7※ | ||
22 | 2級建築施工管理技士(種別:躯体) | 7○ | ||
建築士法 | 37 | 1級建築士 | 7 | 9 |
技術士法 | 42 | 建設 「鋼構造及びコンクリート」 ・ 総合技術監理 (建設 「鋼構造及びコンクリート」 ) | 7 | 9 |
職業能力開発促進法 | 81 | 鉄工・製罐 ※鉄工:昭和48年改正政令による改正後の鉄工とするものにあっては、 選択科目を「製缶作業」又は「製造物鉄工作業」とするものに限られます | 7 | |
基幹技能者 | 36 | 登録橋梁基幹技能者 | 7 |