建設業許可の「管工事業」とは?

建設業許可の「管工事業」とは?

こんにちは。
大阪府吹田市の行政書士いわた事務所です。

「管工事」は、冷暖房設備や空調設備など身近な生活に関わる業種です。

この記事では、「管工事業」で建設業許可を受けたい方に向けて説明しています。

1.「管工事業」の役割

建設業許可事務ガイドラインには、以下のように記載されています。

”冷暖房、冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事”

「管工事業」は、ガス管や水道管にかかわらず、液体や気体などそのままでは運ぶ事ができない性質の物を送るための設備を設置する工事です。

どのような工事なのか、次の例示があります。

  1. 冷暖房設備工事
    家庭用エアコンや業務用エアコンなどの室外機、室内機の据え付け、配管配線工事などの工事です。
  2. 冷凍冷蔵設備工事
  3. 空気調和設備工事
    室内を心地よい環境にするための空調設備の取付けや、古い設備の交換作業、既存空調設備のメンテナンスなどの工事です。
  4. 給排水・給湯設備工事
  5. 厨房設備工事
  6. 衛生設備工事
  7. 浄化槽工事
  8. 水洗便所設置工事
  9. ガス管配管工事
  10. ダクト工事
  11. 管内更生工事

2.「管工事業」と似た工事

  1. 「水道施設工事」との違い
    上下水道などの取水・浄水・配水などの施設や、下水処理施設などの処理設備を築造・設置する場合は「水道施設工事」に該当します。
  2. 「機械器具設置工事」との違い
    排水処理設備の場合であれば「管工事」、集塵施設の場合は「機械器具設置工事」に区分されます。
    建築物の中に設置される空調機器を設置する場合は「管工事」、トンネルや地下道などに機械器具を設置する場合は「機械器具設置工事」に該当します。
  3. 「土木一式工事」との違い
    公道下の下水道の配管工事や、下水道処理場の敷地造成工事は、「土木一式工事」に該当します。
    農業用水道や灌漑用配水施設などの建設工事は、「土木一式工事」に該当します。
    家屋やその他の施設の敷地内の配管工事、上下水道など配水小管を設置する場合は「管工事」に該当します。
  4. 「清掃施設工事」との違い
    公害防止施設を単体で設置する場合は「清掃施設工事」ではなく、それぞれの公害防止施設ごとに分類されます。
    公共団体が設置し、かつ汲み取り方式で収集されたし尿を処理する施設は「清掃施設工事」に該当します。

3.「管工事業」の専任技術者になるには?

専任技術者になるには、以下のパターンがあります。

  1. 「管工事業」に関して10年以上の実務経験があること
    一般建設業のみで、特定建設業はなることはできません。
  2. 「管工事業」に関する所定学科を卒業して、実務経験が一定期間あること
    土木工学、建築学、機械工学、都市工学又は衛生工学に関する学科
     中学・高校卒業の場合は、卒業後の実務経験5年以上
     大学・高等専門学校の場合は、卒業後の実務経験3年以上
     専修学校の場合は、卒業後の実務経験5年以上(専門士、高度専門士であれば3年以上)
     一般建設業のみで、特定建設業はなることはできません。
  3. 「管工事業」に対応している資格を持っていること
    「7」・・・国家資格取得者等
    「9」・・・国家資格取得者等

    管工事業が含まれる「指定建設業」とされている7業種は、総合的で高度な施工技術が求められる建設工事であるため、他の建設業種よりも厳しい基準が設けられています。
    特定建設業許可では、資格+経験で専任技術者や監理技術者となることはできません。
コード資格一般特定
建設業法(技術検定)291級管工事施工管理技士9
302級管工事施工管理技士
技術士法46機械 「流体工学」又は「熱工学」 ・ 総合技術監理 (機械 「流体工学」又は「熱工学」)79
47上下水道 ・ 総合技術監理 (上下水道)79
48上下水道 「上水道及び工業用水道」 ・ 総合技術監理 (上下水道 「上水道及び工業用水道」)79
52衛生工学 ・ 総合技術監理 (衛生工学)79
53衛生工学 「水質管理」 ・ 総合技術監理 (衛生工学 「水質管理」)79
54衛生工学 「廃棄物管理」 ・ 総合技術監理 (衛生工学 「廃棄物管理」)79
水道法65給水装置工事主任技術者7
職業能力開発促進法74冷凍空気調和機器施工 ・ 空気調和設備配管7
75給排水衛生設備配管7
76配管・配管工
※改正後の配管とするものにあっては、選択科目を「建築配管作業」とするものに限られます。
7
70建築板金「ダクト板金作業」7
62建築設備士   ※合格後に実務経験1年7
63計装      ※合格後に実務経験1年7
基幹技能者36登録配管基幹技能者7
登録ダクト基幹技能者7
登録冷凍空調基幹技能者7