【建設業許可】さく井工事業を取得したい

建設業許可の29業種のうち、「さく井(せい)工事業」の押さえておきたいことをまとめています。
「さく井工事業を取得したいけど、どうするの?」
などと、思ってはおられませんか?
地震や台風などの災害時における水源開発や大規模な地下工事に、「さく井工事」を必要とします。
1.「さく井工事業」の役割
建設業許可事務ガイドラインにより、「さく井工事業」は次のように定められています。
”さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事またはこれらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事”
「さく井工事業」は、機械などを用いて穴を空けて、井戸やその工事に伴う揚水設備の設置などを行う工事です。
深い掘抜き井戸を掘ることで、「ボーリング工事」と言われます。
どのような工事なのか、次の例示があります。
- さく井工事
- 観測井工事
- 還元井工事
- 温泉掘削工事
- 井戸築造工事
- さく孔工事
- 石油掘削工事
- 天然ガス掘削工事
- 揚水設備工事
「環元井」とは、地熱井から産出された熱水を地中に戻すための井戸や、発電を終えた蒸気の凝縮水を地下に戻すための井戸を言います 。
含有する化学成分の流出による環境汚染や,大量の熱水採取による地盤変動を考慮し地下還元を行うそうです。
「さく孔」とは、筒状の刃を高速回転させコンクリート削孔を行う技術です。
「さく井工事業」と似た工事
「とび・土木・コンクリート工事」との違い
井戸や温泉などを掘る場合は、「さく井工事」に該当します。
杭打ちのための掘削工事は、「とび・土木・コンクリート工事」に該当します。
2.「さく井工事業」の許可を取得するには
「さく井工事業」の建設業許可を取得するには、経営業務の管理責任者等の共通要件に加え、「さく井工事業」の専任技術者が必要です。
共通要件については、以下のページにて記載しています。
「さく井工事業」で専任技術者になれる方は次のような人です。
(1)「さく井工事業」に対応している資格を持っていること
◎:特定建設業の営業所専任技術者(又は監理技術者)となり得る国家資格等
○:一般建設業の営業所専任技術者(又は主任技術者)となり得る国家資格等
資格 | 実務 | 種類 |
---|---|---|
上下水道「上水道及び工業水道」・総合技術監理(上下水道「上水道及び工業用水道」)(技術士試験) | ◎ | |
さく井(技能検定) | ※1 | ○ |
地すべり防止工事 具体的には一般社団法人斜面防災対策技術協会が行う地すべり防止工事試験が該当します。 | 1年 | ○ |
※1:2級は、合格後3年以上の実務経験。平成16年4月1日時点で合格していた者は実務経験1年以上。
一般建設業における「さく井工事業」の専任技術者になるための要件しか満たしていなくても、4,500万円以上の「さく井工事業」の元請工事を2年以上指導監督した実務経験があれば、特定建設業における「さく井工事業」の専任技術者になることができます。
(2)「さく井工事業」に関して10年以上の実務経験があること
(3)「さく井工事業」に関する所定学科を卒業して、実務経験が一定期間あること
造園工事業に関する所定学科は以下です。
- 土木工学
- 衛生工学
- 機械工学
- 鉱山学
所定学科の中学・高校卒業の場合は、卒業後の実務経験5年以上
所定学科の大学・高等専門学校の場合は、卒業後の実務経験3年以上
所定学科の専修学校の場合は、卒業後の実務経験5年以上(専門士、高度専門士であれば3年以上)
3.まとめ

大まかに、まとめてみると。
- 機械などを用いて穴を空けて、井戸やその工事に伴う揚水設備の設置などを行う工事である。
- 「さく井工事業」ではなく、「とび・土木・コンクリート工事」に当てはまる場合もあるので、注意が必要である。
- 「さく井工事業」の建設業許可を取得するには、共通要件に加え、「さく井工事業」の専任技術者が必要である。
大量の水を必要とする工場などで、需要があります。
自然災害時にライフラインが止まったときに備えて井戸があれば安心で、「さく井工事」の需要は高まります。
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