令和5年1月 経営事項審査の改正

こんにちは。
大阪府吹田市の行政書士いわた事務所です。

令和5年1月から、経営事項審査の社会性(W点)が改正されました。

「労働福祉の状況(W1)」、「若年の技術者及び技能者の育成及び確保の状況(W9)」及び「知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況(W10)」に新設した「ワーク・ライフバランスに関する取組の状況」「建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況」をあわせ、新たに「建設工事の担い手の育成及び確保に関する取組の状況」として評価されることになりました。

また、「建設機械の保有状況(W7)」及び「国又は国際標準化機構が定めた規格による認証又は登録の状況(W8)」の加点対象を拡大・追加されました。

改正後
項目評点(最大)
W1建設工事の担い手の育成及び確保に関する取組の状況(77)
①雇用保険の加入状況-40
②健康保険の加入状況-40
③厚生年金保険の加入状況-40
④建退共の加入状況15
⑤退職一時金もしくは企業年金制度の導入15
⑥法廷外労災制度の加入状況15
⑦若齢技術者及び技能者の育成及び確保の状況  再編2
⑧知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況  再編10
⑨ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況  新設5
⑩建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況  新設15
W2建設業の営業年数60
W3防災活動への貢献の状況20
W4法令順守の状況-30
W5建設業の経理の状況30
W6研究開発の状況25
W7建設機械の保有状況15
(既存の6機種の他に加点対象を拡大)  拡大
W8国又は国際標準化機構が定めた規格による登録状況(10)
①品質管理に関する取組(ISO9001)5
②環境配慮に関する取組(ISO14001)5
(エコアクション21)   追加3点
合計(最高点)   総合評定値P点への換算式を変更237

この記事では、経審を受けたい方に向けて説明しています。

1.ワーク・ライフ・バランス(WLB)に関する取組の状況

業界全体のイメージアップのために、ワーク・ライフ・バランス(WLB)の実現に関する取り組みを評価することになりました。

令和5年1月1日以降の申請で適用

今回経審改正案に入ってきたのは、以下の3つです。

  • 「えるぼし認定」
    女性活躍推進法に基づき、女性の活躍推進に関する取組の実施状況等が優良な企業を厚生労働大臣が認定。
  • 「くるみん認定」
    次世代育成支援対策推進法に基づき、一定の要件を満たした企業を「子育てサポート企業」として厚生労働大臣が認定。
  • 「ユースエール認定」
    若者雇用促進法に基づき、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を厚生労働大臣が認定。

複数の認定を取得している場合は、1番評価の高い区分が加点になります。

ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況
項目評点
女性活躍推進法に基づく認定プラチナえるぼし
えるぼし(3段階目)
えるぼし(2段階目)
えるぼし(1段階目)
次世代法に基づく認定プラチナくるみん
くるみん
トライくるみん
若者雇用促進法に基づく認定(ユースエール)

2.CCUSの導入状況

建設キャリアアップシステム(CCUS)に就業実績を蓄積するためには、元請事業者がCCUSの事業者登録を行ない、建設現場ごとに現場登録を実施します。

カードリーダーの設置等就業履歴の蓄積のためには、必要な環境を整備することが必要です。

令和5年8月14日以降を審査基準日とする申請で適用

運用上は、要件に該当する旨の誓約書の提出と抽出調査等による確認をもって加点になります。
(虚偽の申請により得た評点を公共発注者に提出し、当該結果が資格審査に用いられたことが明らかになった場合、建設業法第28条に基づく営業停止処分等に該当するおそれがあります)

建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況
項目評点
直近事業年度に施工した全ての元請け工事において、CCUS上の現場登録とカードリーダー設置等の就業履歴を蓄積するために必要な措置を講じていること。15
直近事業年度に施工した全ての元請け公共工事において、CCUS上の現場登録とカードリーダー設置等の就業履歴を蓄積するために必要な措置を講じていること。10

3.建設機械の保有状況を拡大

防災の観点から災害時の復旧対応に使用され、定期検査により保有・稼働確認ができる建設機械の保有状況を加点評価としています。
※1年7月を超えるリース契約も保有と同様に加点

令和5年1月1日以降の申請で適用

加点対象となっていなかった建設機械を、今回の改正で加点対象となります。

現在の加点対象に加え、実際の災害対応において活躍しているものの、経営事項審査上は加点対象となっていない建設機械が存在しており、災害対応力を適正に評価するため、加点対象建設機械を拡大されています。

従来の加点対象
法令根拠機種検査方法
建設機械抵当法施行令ショベル系掘削機特定自主検査
ブルドーザー
トラクターショベル
モーターグレーダー
安衛法施行令移動式クレーン(つり上げ荷重3t以上)製造時検査又は性能検査
ダンプ規制法大型ダンプ(土砂の運搬が可能な最大積載量5以上)自動車検査
追加される建設機械
法令根拠機種検査方法
道路運送車両法ダンプ(土砂の運搬が可能な全てのダンプ)
「ダンプ」「ダンプフルトレーラ」「ダンプセミトレーラ」
自動車検査
安衛法施行令締固め用機械特定自主検査
解体用機械
高所作業車(作業床の高さ2m以上)

4.エコアクション21の追加

環境マネジメントシステムISO14001に対して加点がありましたが、中小企業では取得割合が少ないのが現状です。

中小企業においても、脱炭素を含め環境問題への取り組みが改めて求められているため、エコアクション21も対象になりました。

令和5年1月1日以降の申請で適用

ISO14001とエコアクション21の両方がある場合は、ISO14001のみ評価されます。

国際標準化機構が定めた規格による登録の状況評点
ISO第9001号及び第14001号の登録10
ISO第9001号の登録及びエコアクション21の認証8
ISO第14001号の登録及びエコアクション21の認証8
ISO第9001号の登録5
ISO第14001号の登録5
エコアクション21の認証3

※ P点に占めるW点のウェイトが大きく増加するため、各項目間のバランスを維持するべく、総合評定値算出に係る係数が、1900/200から1750/200に変更されました。

令和5年8月14日以降を審査基準日とする申請で適用