経審点数アップを目指す! 建設業経理士の活かし方と戦略
建設業を営む皆さま、いつもお仕事お疲れ様です!
「公共工事の入札に参加したいんだけど、今の経審(経営事項審査)の点数じゃ、なかなか有利に進められない」
「どうにかして経審の点数を上げて、会社の競争力を高めたい!」
そういったお悩みをお持ちの経営者様は、少なくありません。
経審の点数を上げる方法はいくつかありますが、その一つに「建設業経理士の資格を活かす」という戦略があります。
今回は、建設業経理士の資格を単なる経理のスキルとしてではなく、会社の経審点数をアップさせるための「武器」として、どのように活かすべきか、その具体的な戦略を分かりやすく、解説していきますね。
戦略1:まずは「経審の加点」を確実にゲットする!
経営事項審査のW点(社会性等)にはW1からW8までの項目があり、このうちW5が「建設業の経理に関する状況」です。
W5の点数は、監査の受審状況と公認会計士等の人数によって決まります。
建設業経理士の資格は、会社の財務諸表の正確性や経理体制の健全性を証明するものであり、この資格を持つ方がいることで、経理に関する評価がアップする仕組みになっています。
(1)監査の受審状況
「監査の受審状況」で加点される項目の一つに、建設業経理士1級による自主監査があります。
具体的には、1級登録経理試験に合格した者が経理責任者となり、経理処理の適正を確認することで、監査法人や公認会計士による監査とは別に加点されます。
この加点は、企業の経理状況が適切に管理されていることを証明するものとみなされます。
つまり、建設業経理士1級は、単に企業の経理を担当するだけでなく、審査上で監査と同等の評価を得るための重要な資格なのです。
- 会計監査人を設置 : 20点
- 会計参与の設置 : 10点
- 経理処理の適正を確認した旨の書類の提出 : 2点
- 監査なし : 0点
上記、3の「経理処理の適正を確認した旨の書類の提出 」に署名・押印し、提出できるのは、会社の常勤の役職員で、経理実務の責任者であり、かつ以下のいずれかの資格を有する者に限られます。
- 公認会計士であり、研修を受講した者(公認会計士の登録が必要)
- 税理士で研修を受講した者(税理士の登録が必要)
- 1級登録経理試験に合格した年度の翌年度の開始の日から5年経過していない者
- 1級登録経理講習を受講した年度の翌年度の開始の日から5年経過していない者
この書類は単に誰でも作成できるものではなく、国が定める専門資格を持つ経理責任者が作成することで、経営事項審査における信頼性と加点につながる重要な書類となります。
(2)公認会計士等の数
「公認会計士等の数」は、企業に在籍する経理専門家の人数を評価する項目です。
この人数を点数化し、加点します。
算出方法は、次の計算で得られた数値と、企業の年間平均完成工事高を照らし合わせることで、最終的な点数が算出されます。
公認会計士等数値 =(公認会計士、会計士補、税理士、1級建設業経理士等の数)+ (2級登録経理試験合格者等の数 × 0.4)
上記の計算式で出た数字を、次の「公認会計士等点数算出テーブル」に当てはめ算出します。
| 平均完成工事高 (億円) | 10点 | 8点 | 6点 | 4点 | 2点 | 0点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 600以上 | 13.6以上 | 10.8以上 13.6未満 | 7.2以上 10.8未満 | 5.2以上 7.2未満 | 2.8以上 5.2未満 | 2.8未満 |
| 150以上 600未満 | 8.8以上 | 6.8以上 8.8未満 | 4.8以上 6.8未満 | 2.8以上 4.8未満 | 1.6以上 2.8未満 | 1.6未満 |
| 40以上 150未満 | 4.4以上 | 3.2以上 4.4未満 | 2.4以上 3.2未満 | 1.2以上 2.4未満 | 0.8以上 1.2未満 | 0.8未満 |
| 10以上 40未満 | 2.4以上 | 1.6以上 2.4未満 | 1.2以上 1.6未満 | 0.8以上 1.2未満 | 0.4以上 0.8未満 | 0.4未満 |
| 1以上 10未満 | 1.2以上 | 0.8以上 1.2未満 | 0.4以上 0.8未満 | ― | ― | 0 |
| 1未満 | 0.4以上 | ― | ― | ― | ― | 0 |
経審で評価される「建設業経理士」の要件
経審で加点評価の対象となるのは、以下の要件をすべて満たしている建設業経理士です。
- 建設業経理士1級または2級の資格を有していること
まず大前提として、建設業振興基金が実施する「建設業経理士検定試験」に合格し、1級または2級の資格を保有していることが必要です。- 1級:建設業の財務諸表分析や経営管理などを、深く理解していることを証明します。
- 2級:基本的な経理業務を正確に行う能力を証明します。
- 審査基準日において「常勤」であること
- 経審は、審査基準日(通常は直前の事業年度終了日)時点の会社の状況を評価します。したがって、その日において、資格を持つ方が常勤の従業員または役員であることが必要です。パートやアルバイト、派遣社員は対象外となります。
- 5年ごとの「登録・更新講習」を修了していること
- 建設業経理士の資格は、一度取得したらそれで終わりではありません。資格の有効期間は5年間と定められており、この期間内に「登録・更新講習」を受講し、修了することが義務付けられています。
- 1級登録経理試験に合格した年度の翌年度の開始の日から、5年経過していない者
- 1級登録経理講習を受講した年度の翌年度の開始の日から、5年経過していない者
- 2級登録経理試験に合格した年度の翌年度の開始の日から、5年経過していない者
- 2級登録経理講習を受講した年度の翌年度の開始の日から、5年経過していない者
- 建設業経理士の資格は、一度取得したらそれで終わりではありません。資格の有効期間は5年間と定められており、この期間内に「登録・更新講習」を受講し、修了することが義務付けられています。
戦略2:経理体制を強化し、「経審のY点」を改善する!
建設業経理士の資格は、経審の直接加点だけでなく、間接的に経審の点数を上げる効果ももたらします。
- 正確な財務諸表作成
- 経審の「経営状況(Y点)」は、会社の財務諸表(貸借対照表、損益計算書など)に基づいて評価されます。
建設業経理士は、建設業特有の会計処理や勘定科目を正確に理解しているため、精度の高い財務諸表を作成できます。
これにより、本来得られるはずのY点数を最大限に引き出すことができます。
- 経審の「経営状況(Y点)」は、会社の財務諸表(貸借対照表、損益計算書など)に基づいて評価されます。
- 財務状況の改善提案
- 特に建設業経理士1級の資格を持つ方は、財務分析の専門知識を持っています。
この知識を活かして、会社の収益性や負債状況を分析し、「売掛金の回収を早める」「無駄な経費を削減する」といった財務改善策を経営者に提案することができます。
これらの改善が実現すれば、経審のY点が向上し、総合評定値(P点)も上がります。
- 特に建設業経理士1級の資格を持つ方は、財務分析の専門知識を持っています。
戦略3:技術者との「連携」でシナジーを生み出す!
経審には、技術職員の資格や人数を評価する「技術力(Z点)」という項目があります。
建設業経理士は、この技術者と連携することで、さらなる点数アップの戦略を立てることができます。
- 完成工事高の正確な計上
- 経審の「完成工事高(X1点)」は、会社の売上規模を示す重要な指標です。
建設業経理士は、現場からの報告書や契約書に基づいて、完成工事高を正確かつ迅速に計上できます。
これにより、売上の計上漏れを防ぎ、X1点の評価を最大限に引き出せます。
- 経審の「完成工事高(X1点)」は、会社の売上規模を示す重要な指標です。
- 技術者資格の管理
- 技術者の資格取得状況や更新期限を、経理担当者が一元管理することで、資格の失効による経審の減点を防ぐことができます。
建設業経理士の資格は、経理担当者のキャリアアップだけでなく、会社の未来を築くための重要な投資です。
この資格を上手に活用することで、会社の信用力を高め、公共工事の受注機会を広げることができます。
この情報が、あなたの事業の発展に少しでも貢献できれば幸いです。

