【2026年最新版】決算変更届のギモンを解決Q&A
建設業の許可を持っている人は、1年が終わるごとに「こんな工事をして、これだけ稼ぎました」と報告する義務があります。
(根拠:建設業法第11条第2項)
それでは、質問形式でくわしく見ていきましょう。
Q1:決算変更届とはなんですか?

1年間の「工事の実績」と「お金の状況」を報告する書類です。
許可を受けたあとも、会社の数字は毎年変わりますよね。
その内容を役所に知らせるのが、この届出の役割です。
- いつ出すの?
新しい年度が始まってから、「4か月以内」に出さなければなりません。
(※個人の場合は、毎年4月30日までが期限です) - 出さないとどうなるの?
5年ごとの更新(許可をさらに5年続ける手続き)のときに、過去5年分のこの届出がすべて揃っていないと、更新を受け付けてもらえません。
つまり、許可が途切れてしまうのです。 - なぜ必要なの?
「ちゃんと建設業の仕事を続けているか」をお役所が確認するためです。
「幽霊会社」になっていないかを見ているのですね。
Q2:どんな書類を用意すればいいですか?

法人(会社のこと)と個人(一人で商売している人)で少し違います。
以下のリストを見て、自分のパターンを確認しましょう。
大阪府では以下のとおり。
【みんなが必要な書類】
- 決算変更届の表紙: 大阪府専用の表紙です。
- 変更届出書(府規則様式第3号): 「報告します」という内容の書類です。
- 工事経歴書書(省令様式第2号): どんな工事を、誰から、いくらで受けたか書いたリストです。
- 直前3年の工事施工金額(省令様式第3号): 過去3年間の売上のまとめです。
【会社(法人)が用意する書類】
- 貸借対照表(省令様式第15号): 会社の貯金や借金がいくらあるかの表です。
- 損益計算書・完成工事原価報告書(省令様式第16号): いくら儲かり、いくら使ったかの表です。
- 株主資本等変動計算書(省令様式第17号): 資本金(会社のお金)の動きの表です。
- 注記表(省令様式第17号の2): お金の計算方法を詳しく説明した書類です。
- 事業報告書: 株式会社の場合に必要です。
- 法人事業税の納税証明書:府税事務所でもらう原本が必要です。
- 附属明細書(大会社のみ)
もし「有価証券報告書(国に提出するぶ厚い報告書)」を作っているなら、そのコピーを出すことで、この書類の代わりにできます。
具体的には、以下のどちらかに当てはまる場合です。- 資本金が1億円を超えている。
- 貸借対照表の負債の合計が200億円以上ある。
【個人が用意する書類】
- 貸借対照表(省令様式第18号): 個人の財産の状況です。
- 損益計算書(省令様式第19号): 1年間の売上の計算です。
- 個人事業税の納税証明書:府税事務所でもらう原本が必要です。
- 4月末〜8月末に出すとき
納税証明書の代わりに、「所得税の確定申告書」の第一表のコピーを付けます。
※令和6年分までは税務署の受付印(ハンコ)が必要でしたが、令和7年分からはハンコがなくてもよくなりました。
電子申告の場合は税務署の受信通知、第一表に税務署の受付印がなく第二表に税理士等の記名捺印がある場合は第二表も必要です。
- 4月末〜8月末に出すとき
【変更があったときだけ出す書類】
- 使用人数(省令様式第4号): 働いている人の人数が変わったときに出します。
- 健康保険等の加入状況(省令様式第7号の3): 従業員の数だけが変わったときに出します。
- 定款の写し: 会社のルールブックの内容を変えたとき(法人のみ)。
- 建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表(省令様式第11号): 支店長などが変わったとき。
Q3:工事経歴書の書き方のコツは?

「経審」を受けるかどうかで、書き方が変わります!
「公共工事」を受けたい会社さんは、「経審(経営事項審査)」を受けます。
その場合、工事経歴書の書き方には厳しいルールがあります。
【経審を受ける人の書き方】
- 順番が大事: 金額が大きい順に並べるだけでなく、「元請(役所から直接受けた仕事)」を先に書くなどのルールがあります。
- 書く件数が違う: 全体の売上の「7割」に達するまで書く、などの決まりがあります。
- 消費税に注意: 経審を受ける人は、必ず「税抜き」の金額で書かなければなりません。
【経審を受けない人の書き方】
- シンプルでOK: 主な工事を金額の大きい順に、10件程度(大阪府の場合)書けば大丈夫です。
- 消費税: 「税込み」でも「税抜き」でも、普段の経理に合わせて選べます。
Q4:もし、この1年間「工事がゼロ」だったら?

実績がなくても、届出は必ず出さなければなりません。
「今年は1件も工事をしなかったから、報告することはないよね」というのは間違いです。
工事がゼロだったとしても、そのことを報告する必要があります。
- 工事経歴書の書き方: 欄に「該当なし」と書いて提出します。
- 出さないとどうなる?: 報告を怠ると「営業していない」とみなされ、許可が取り消される原因になることもあります。
Q5:赤字で税金を払っていませんが、大丈夫ですか?

大丈夫です。金額が「0円」と書かれた納税証明書を付けましょう。
赤字であっても、決算報告は必要です。
大阪府の税事務所で「納税証明書」を取ると、税金が0円であればそのように記載されます。
その「0円の証明書(原本)」を付けて提出すれば、全く問題ありません。
Q6:4か月の期限を過ぎてしまったら、もう出せませんか?

いいえ、遅れても必ず出してください。
期限を過ぎると、役所で「始末書(遅れた理由を書く反省文)」のような書類を求められることがありますが、提出自体は可能です。
放置しておくのが一番よくありません。
「更新」の直前に5年分をまとめて出すのはとても大変ですし、役所からも厳しく指導されます。
まとめ:毎年のコツコツが、会社の看板を守ります
- 「工事ゼロ」「赤字」でも出す: これがプロの義務です。
- 「4か月以内」を守る: 忘れないうちに、すぐ準備しましょう。
- 「原本を揃える: 納税証明書は必ず本物を。
- 「更新」のために: 5年間の報告がつながって、ようやく次の5年の許可がもらえます。
建設業の許可は、あなたの会社が「信頼できるプロ」であるという、社会への約束です。
この「決算変更届」を毎年ちゃんと出しているということは、お役所からも「この会社はきっちりしているな」と認められているということ。
それは、これから大きな仕事を受けたり、銀行からお金を借りたりするときに、あなたの会社の強力な武器になります。
現場仕事で体が疲れているとき、たくさんの書類と向き合うのは、本当に大変なことだと思います。
でも、この「一年に一度の宿題」を丁寧にこなすことが、あなたの大切な会社と、そこで働く仲間たちの未来を守ることにつながるのです。

