【2026年最新版】建設業許可「現場のプロ(営業所技術者)」完全攻略Q&A

「社長の経験はクリアできた。次は現場のプロだ!」
「10年も現場にいないと、許可は取れないのかな?」

建設業の許可を取るために、リーダー(常勤役員等)と同じくらい大切なのが、この「営業所技術者等(つまり、その営業所にいつもいて、工事の技術をしっかりチェックするプロのこと)」です。

2024年末の法改正で、呼び名が「専任技術者」から「営業所技術者等」に変わりました。

営業所にいつもいなければならない「現場の責任者」であることが、名前からもより分かりやすくなったのです。

この記事では、どうすればこの「現場のプロ」として認められるのか、その条件と証拠の出し方を、Q&A形式で徹底解説します。

Q1:そもそも「営業所技術者」ってどんな人のこと?

Answer

その営業所に毎日いて、工事の技術的な責任を持つ人のことです。
許可が欲しい営業所ごとに、必ず1人は置かなければなりません。

注意:「専任(つまり、その仕事だけを専門にすること)」が条件なので、よその会社の社員や、家が遠すぎて通えない人はなれません。

根拠: 建設業法第7条第2号(一般)、第15条第2号(特定)

Q2:どうすれば「営業所技術者」になれるの?(一般建設業の場合)

Answer

大きく分けて「資格」「学歴」「10年の経験」の3つの道があります。

① 国家資格でクリアする道
これが一番おススメです。
指定された国家資格を持っていれば、実務経験が短くても、あるいは全くなくてもプロとして認められます。

  • 対象: 二級建築士や施工管理技士などの資格(二次試験合格)を持っていれば、即なれます!
  • メリット: 面倒な「10年分の注文書」を集める手間が一切なくなります。

根拠: 建設業法施行規則第7条の3第1項第2号(カ)

② 学校の卒業 + 実務経験でクリアする道
指定学科を卒業していれば、大学卒なら3年、高校卒なら5年の経験でOKです。

  • 大学・短大・高専卒: 卒業してから「3年以上」の実務経験。
  • 高校・中等教育学校卒: 卒業してから「5年以上」の実務経験。
  • 専門学校卒: 卒業してから「3年」または「5年」の実務経験。

根拠: 建設業法施行規則第7条の3第1項第1号(ア〜ウ)

③ 10年以上の実務経験でクリアする道
資格や学歴がなくても、現場でのキャリアが合計で10年以上あること。
雑務(掃除や片付けだけ)の期間は含まれません。

根拠: 建設業法施行規則第7条の3第1項第1号(オ)

Q3:もっと大きい工事をしたい「特定建設業」の場合は?

Answer

名前が「特定営業所技術者」にランクアップし、条件も厳しくなります。

  • 一級資格: 一級施工管理技士などを持っていれば一発クリアです。
    • 特定の壁: 土木、建築、電気、管、鋼構造物、舗装、造園の「指定7業種」で特定の許可を取るには、原則として一級資格が必要です。

根拠: 建設業法第15条第2号柱書

  • 指導経験: それ以外の業種(大工や内装など)なら、一般の条件に加えて「2年以上の指導監督した経験(元請けで4,500万円以上の工事)」があればなれます。

根拠: 施行規則第7条の3第2項第1号・第2号

Q4:「一次試験の合格」で実務経験が短縮される?

Answer

令和5年7月の改正により、一次試験に合格した方は「10年の経験」がなくてもプロになれる道ができました。

緩和の内容: 施工管理技士の「第一次検定(一次試験)」に合格した方は、指定学科の卒業生と同じ扱いになります。

  • 一級技士補(一次合格): 合格後の実務経験が3年以上あればOK。
  • 二級技士補(一次合格): 合格後の実務経験が5年以上あればOK。

根拠: 令和5年7月1日施行 建設業法施行規則第7条の3

【要注意!】この緩和が「使えない8業種」 以下の8つはルールが厳しいため、一次試験合格だけでは短縮できません。

土木一式、建築一式、電気、管、鋼構造物、舗装、造園、電気通信

※これらは従来通り、正式な資格(二次試験まで合格)か、10年の経験が必要です。

Q5:毎日働いていること(常勤性)はどう証明するの?

Answer

立場に合わせて、決められた公的な書類を「セット」で提出します。
お役所の審査では、給料の支払いや税金の状況から「本当に毎日いるか」を確認します。

ケース1:法人の役員や従業員(75歳未満)の場合
以下のいずれかを選択して提出します。

  • 健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書 (年金事務所から会社に届く最新の通知書です)
  • 住民税特別徴収税額通知書 (会社用と本人用の2枚セットが必要です)

ケース2:75歳以上(後期高齢者)のリーダーの場合
社会保険の通知書が使えないため、以下の書類が必要です。

  • 住民税特別徴収税額通知書 (会社用と本人用の2枚セットが必要です)

ケース3:個人事業主本人の場合
以下のどちらかを提出します。

  • 住民税課税証明書(市役所で取得できる、最新年度のもの)
  • 所得税の確定申告書の控え(直近年のもの)
    ※ 役所での課税証明書がまだ発行されない時期(春先など)に、確定申告書で代用します。

ケース4:新しく入社・就任したばかりの場合
以下の両方をセットで提出します。

  • 直近3ヶ月分の賃金台帳(お給料の明細一覧)
  • 住民税の切り替え申請書の控え(市役所の受付印があるもの)

根拠: 各都道府県の建設業許可申請の手引き(常勤性の確認書類規定)

Q6:過去の経験はどうやって証明すればいいの?

Answer

「その会社にいた証拠」と「その工事をした証拠」の両方を揃えます。
特に10年の経験を証明する場合は、以下の2つをパズルのように組み合わせます。

  1. その会社に在籍していた証拠
    • 厚生年金の記録: 「いつからいつまで、どの会社にいたか」が書かれた回答票を使います。
    • 個人事業主の下で働いていた場合: その親方の確定申告書(あなたの名前がお給料の欄にあるもの)が必要です。
  2. 実際に工事をしていた証拠
    • 必要書類: 「工事の契約書」「注文書」「請求書(通帳の入金跡を含む)」など。
    • 大阪府のルール: 「1年に1件以上」の書類が必要です。
    • 注意: 1年以上の空白(ブランク)があると、経験が途切れたとみなされてしまいます。

根拠: 大阪府審査基準

Q7:複数の業種(土木と舗装など)を1人で兼ねることはできますか?

Answer

同じ営業所内なら、1人で何業種でも担当できます!

  • 資格の場合: その資格がカバーしている業種なら、何個でも兼任OK。
  • 実務経験の場合: 期間の使い回しはできません(足し算になります)。
    • 例:土木10年 + 舗装10年 = 合計20年の期間が必要。

根拠: 建設業法第7条第2号および第15条第2号(「営業所ごとに」配置を求めるもので、業種ごとの人数指定はないため)、建設業許可事務取扱い等の運用(実務経験期間の合算ルール)

まとめ:配置するためのポイント

  • 新名称: 「専任技術者」から「営業所技術者等」へ変更されました。
  • 緩和: 技士補による緩和は「一般」のみ有効で、「主要8業種」および「特定」には適用されません。
  • 大阪府: 常勤証明や実務経験の裏付け(1年1件)が厳格ですので、事前の書類精査が不可欠です。

これからの建設業許可において「営業所技術者等」の確保は、会社の成長を左右する非常に重要なポイントです。

特に注目すべきは、最新の法改正で始まった「技士補(一次試験合格者)」による実務経験の短縮です。

これにより、若手社員や、これまで「あと数年足りない」と諦めていた方でも、大工や内装といった多くの業種で早期に技術者として登録できる可能性が広がりました。

人手不足の時代において、この緩和ルートをうまく活用することは、会社にとって大きな強みになります。