【2026年最新版】建設業許可のギモンを徹底解決Q&A

建設業の許可は、いわば「大きな工事をしてもいいよ」という国や県からのライセンスです。
元請(最初にお客さんから仕事をもらう人)だけでなく、下請さんであっても、一定以上の工事をするなら必ず必要になります。

これを持っていないと、受けられる仕事に制限が出てしまいます。
(根拠:建設業法第3条)

よくある質問に、Q&A形式で解説します。

Q1:そもそも、許可がいらない工事もあるって本当ですか?

Answer

はい。「軽微な工事」だけなら、許可がなくても大丈夫です。

ただし、金額によって厳しく決まっています。

  • 建築一式工事(家を丸ごと一軒建てるような大きな工事)の場合:
    • 1件の代金が1,500万円未満の工事。
    • または、延べ面積が150平方メートル未満の「木造住宅」の工事。
  • それ以外の専門工事(塗装、大工、電気など)の場合:
    • 1件の代金が500万円未満の工事。

※注意ポイント!
金額を安く見せるために、一つの工事を2つ以上の契約に分けるのはダメです。
正当な理由がない限り、合計金額で判断されます。
また、注文した人から材料をもらう場合は、その材料の「市場価格」と「運賃」を工事費にプラスして計算します。

Q2:申請先は「大臣」と「知事」でどう違うのですか?

Answer

営業所(契約を結ぶ事務所)の場所で決まります。

  1. 大阪府知事許可:
    大阪府の中だけに事務所がある場合です。
  2. 国土交通大臣許可:
    大阪府と兵庫県など、2つ以上の都道府県に事務所をまたいで置く場合です。

※単なる連絡所や、建設業に関係ないお店は「営業所」とは呼びません。

Q3:「一般」と「特定」のちがいを教えてください!

Answer

下請さんに出す金額の大きさで決まります。

  1. 特定建設業:
    お客さんから直接工事を受けたとき(元請)、下請さんに出す代金の合計が5,000万円以上(建築一式なら8,000万円以上)になる場合です。
  2. 一般建設業:
    それ以外の場合です。

※下請さんが、さらにその下(孫請)に大きな金額を出す場合は、特定でなくても大丈夫です。

Q4:工事の種類はいくつありますか?

Answer

全部で29種類あります。

大きく分けると、2つの「一式工事」と27の「専門工事」です。

  • 一式工事(土木・建築):
    全体をまとめ、管理する大きな工事です。
  • 専門工事(大工、左官、屋根、電気、内装、解体など):
    それぞれのプロが担当する工事です。

※ここが間違いやすい!
「建築一式」の許可を持っていても、500万円以上の「内装工事」だけを単品で受ける場合は、「内装仕上工事業」の許可が別に必要になります。
また、メインの工事にくっついてくる「附帯工事」なら、許可がなくても一緒に請け負うことができます。

Q5:申請にはどんな種類がありますか?

Answer

いまの状況によって、以下の9つのパターンに分かれます。

手数料は、大阪府知事許可の場合の金額を載せておきますね。

  1. 新規: いま有効な許可を何も持っていないとき。
    90,000円
  2. 許可換え新規: 大臣から知事に(または他県から大阪府に)変えるとき。
    90,000円
  3. 般・特新規: 「一般」だけ持っている人が、新しく「特定」を取るとき(または逆)。
    90,000円
  4. 業種追加: いまの許可に、新しい工事の種類を増やすとき。
    50,000円
  5. 更新: 5年の期限をのばすとき。
    50,000円
  6. 般・特新規 + 業種追加: 3と4を同時にやる。
    140,000円
  7. 般・特新規 + 更新: 3と5を同時にやる。
    140,000円
  8. 業種追加 + 更新: 4と5を同時にやる。
    100,000円
  9. 般・特新規 + 業種追加 + 更新: 3と4と5を全部同時にやる。
    190,000円

※更新と一緒にやる場合は、期限まで30日以上残っている必要があります。

Q6:許可の有効期間はいつまでですか?

Answer

許可をもらった日から「5年間」です。

期限が切れる日の前日をもって満了(終わり)となります。
引き続き仕事をしたいときは、期限の30日前までに「更新」の手続きをしなければなりません。

Q7:便利な「許可の一本化」の条件を詳しく教えて!

Answer

更新や業種追加のタイミングで、期限をひとつにまとめることができます。

複数の許可を持っていると、更新手続きが何度もあって大変です。
これを1回で済むようにするのが「一本化」です。
(正式名称:許可の有効期間の調整)

ここが間違いやすいポイントなので、じっくり見てくださいね!

① 「30日以上残っている」必要があるのはいつ?

  • 業種追加と一緒に一本化する場合:
    新しく業種を増やすときに、いま持っている他の許可もまとめて更新(一本化)したいなら、その持っている許可の期限が30日以上残っていなければなりません。
  • 更新と一緒に一本化する場合:
    期限がくる業種(A)の更新をするときに、まだ期限が残っている別の業種(B)も一緒に更新(一本化)したい場合。
    このとき、更新する(A)の方は、いつも通り期限まで30日を切っていても(満了日までなら)受け付けてもらえます。
    ただし、「一本化して吸い込まれる側」の(B)の期限は、30日以上残っている必要があります。

※注意! 満了日まで30日を切ってしまった業種がある場合は、一本化(まとめ申請)ができず、それぞれバラバラに申請しなければならなくなります。

② そのほかの大事な条件

  • すべてをまとめること:
    「大工と塗装はまとめるけど、電気だけは別の日にする」といった、業種の選択はできません。
    やるなら全部を同じ日にまとめます。
  • 変更届が終わっていること:
    前回の許可から、役員や事務所、経営業務管理責任者などが変わっている場合は、一本化の申請の前に「変更届」を出しておく必要があります。
    これが出ていないと、一本化の受付はしてもらえません。

Q8:許可を取るための「5つのハードル」は何ですか?

Answer

次の5つをすべて書類で証明する必要があります。

  1. 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)がいること
    建設業の経営を5年以上した経験がある役員さんが、事務所にずっといること。
    (※補佐する人を置くパターンもあります)
  2. 社会保険に入っていること
    健康保険・厚生年金・雇用保険に正しく入っていることが、令和2年から「絶対の条件」になりました。
  3. 営業所技術者等(専任技術者)がいること
    資格や実務経験があるプロ(営業所技術者等)が、営業所ごとにずっといること。
  4. お金があること(財産的基礎)
    • 一般の場合: 銀行に500万円以上の残高があるか、純資産が500万円以上あること。
    • 特定の場合: もっと厳しいお金のルール(資本金2,000万円以上など)があります。
  5. まじめであること(欠格要件・事務所)
    • 過去に悪いことをしていないこと。
    • 実際にそこで仕事ができる「営業所」を持っていること。

Q9:社会保険の証明書類は何が必要ですか?

Answer

令和2年から、コピーの「提出」が必須になりました。

以下の書類のコピーを用意しましょう(直近のもの)。

  • 健康保険・厚生年金:
    • 領収証書や納入告知書。
    • 標準報酬決定通知書。
  • 雇用保険:
    • 労働保険概算・確定保険料申告書。
    • 領収済通知書。
    • まだ払っていない場合は、ハローワークの受付印がある「事業所設置届」など。

※注意ポイント! 書類にある「基礎年金番号」や「マイナンバー」は、必ずマジックで消して(マスキングして)から出してください。

Q10:事務所(営業所)として認められる条件は?

Answer

ただの部屋ではなく、「事務所」としての実体が必要です。

  • 看板: 会社の名前が出ていること。
  • 設備: 固定電話、机、パソコン、棚などがあること。
  • 使用権限: 自分の持ち物か、正しく借りていること。
    借りている場合、契約書が「居住用」なら、大家さんの「使用承諾書」が必要です。
  • 許可票: 許可が取れたら、法第40条に基づく標識(金色のプレートなど)を掲げなければなりません。

Q11:ゴミ(産業廃棄物)のルールも関係ありますか?

Answer

はい。元請さんにすべての責任があります。

  • 工事で出たゴミ(産業廃棄物)は、元請さんが片付けなければなりません。
  • 下請さんに運ばせるなら、収集運搬の許可業者に委託し、契約書を交わし、マニフェストを出しましょう。
  • ルールを破ると、元請さんも罰せられます。

Q12:許可のハガキ(通知書)はどうやって届きますか?

Answer

事務所に、転送できない郵便で届きます。

  • 行政書士などの代理人には届きません。
  • 郵便局で「転送」の手続きをしていると、届かずに役所へ戻ってしまいます。
  • 戻ってしまうと、大阪府の職員さんが本当に事務所があるか「確認調査」に来ることになり、許可がとても遅れます。

まとめ:一歩ずつ、プロの階段を上りましょう

  • 「500万円」がスタートライン:
    大きな仕事を堂々と受けるために、早めの準備が大切です。
  • 「5年」を大切に:
    許可の期限も、経営者の経験も「5年」がキーワードになります。
  • 「正直」が一番:
    書類にうそを書いたり、保険をサボったりすると、後で大きなトラブルになります。
  • 「事務所」は実体が必要:
    名前だけでなく、しっかり仕事ができる場所を整えましょう。

建設業の許可を取るということは、あなたが「社会のルールを守り、大きな責任を果たすプロである」と認められることです。

手続きは山のようにありますが、それはあなたの会社がこれから「大きく羽ばたくための準備」です。
ひとつずつ書類を整え、条件を確認していくことで、あなたの会社はもっと強く、もっと信頼される存在に変わっていきます。

あなたの会社の看板に、新しい許可番号が刻まれ、胸を張って大きな現場へ向かう日を、心から応援しています!