【行政書士が解説】経審X2点(経営規模)は短期と長期、どう対策する?
建設業を営む皆さまにとって、経営事項審査(経審)は、公共工事を受注するためにとても大切なものですよね。
その中でも、X2点(経営規模)は、会社の体力や安定性を示す重要な指標となります。
「X2点を上げたいけれど、具体的にどう対策すればいいの?」
「短期的な対策と長期的な対策があるって聞いたけど、どう違うの?」
といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、そんなX2点について、計算方法から短期・長期の対策まで、分かりやすく丁寧にご説明させていただきますね。
1.経審X2点(経営規模)ってなあに?
経審のX2点(経営規模)は、会社の自己資本の充実度と平均利益額という2つの要素から評価される点数です。
簡単に言うと、「会社にどれだけお金が蓄えられていて、どれくらい利益を出しているか」を見る指標なんです。
この点数が高いほど、会社としての経営基盤がしっかりしていると評価されます。
X2点の算出方法をしっかり理解しましょう!
まずは、X2点の計算式から見ていきましょう。
X2点(経営規模評点)=(自己資本額点数(X21)+平均利益額点数(X22))/2
※小数点以下は切り捨てとなります。
では、それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
- 自己資本額点数 (X21)
会社の「自己資本」とは、返済する必要のない、会社に蓄えられているお金のことです。
これは、会社の安定性を示す大切な指標になります。- 算出方法: 自己資本額は、貸借対照表の「純資産合計」の金額を使います。
- ポイント: 審査を受ける「直前の経営状況」と「その前期」の2年間の平均値を使うか、直前の経営状況の1年分を使うか、会社で選択することができます。
会社の状況によって異なりますので、どちらが良いか検討することが大切です。 - 点数化: 算出された自己資本額を、国土交通省が定める「自己資本額算出テーブル(X21)」に当てはめて点数を算出します。
- 平均利益額点数 (X22)
「平均利益額」とは、会社がどれくらいの利益を継続的に出しているかを示す指標です。
これは、会社の収益性を見る大切な指標になります。- 算出方法: 「利払前税引前償却前利益」の2期平均値(審査基準年と前期の平均値)を使用します。
- 利払前税引前償却前利益の計算式
利払前税引前償却前利益=営業利益+減価償却実施額- 営業利益: 会社の通常の営業活動で稼いだ利益です。
- 減価償却実施額: 建物や機械などの固定資産を少しずつ費用として計上していく金額です。これは実際にお金が出ていくわけではないため、利益を評価する際には足し戻します。
- 利払前税引前償却前利益の計算式
- 点数化: 算出された平均利益額を、国土交通省が定める「平均利益額算出テーブル(X22)」に当てはめて点数を算出します。
- 算出方法: 「利払前税引前償却前利益」の2期平均値(審査基準年と前期の平均値)を使用します。
2.短期的な対策と長期的な対策でX2点をアップ!
X2点を上げるためには、計画的な対策が重要です。
ここでは、短期的に効果が出やすい対策と、じっくり取り組む長期的な対策に分けてご説明します。
短期的な対策:直前でもできること!
「次回の経審までに少しでもX2点を上げたい!」という場合に有効な対策です。
- 自己資本の増強
- 役員借入金の資本金への振替: もし会社への役員借入金がある場合、それを資本金に振り替えることで、自己資本を増やすことができます。これは、会社の財務体質を改善する上で非常に効果的です。ただし、税務上の影響もありますので、事前に税理士さんと相談することが重要です。
- 増資: 新たに株式を発行して出資を募ることで、自己資本を増やす方法です。株主構成や資金調達の方法を慎重に検討する必要があります。
- 配当の抑制: 会社が利益を出した際に、配当を抑えることで、内部留保(利益剰余金)を増やし、自己資本を充実させることができます。
- 不良債権の早期回収: 売掛金などで滞留しているものがあれば、早めに回収することで、会社の資金繰りを改善し、結果的に自己資本を確保しやすくなります。
- 経費の見直し: 無駄な経費を削減することで、利益を増やし、X22点の改善に繋がる可能性があります。
- 審査基準年の選択: 自己資本額を2年平均で評価するか、1年で評価するかは選択できます。どちらが有利になるかは会社の状況によって異なるため、シミュレーションして有利な方を選択しましょう。
長期的な対策:会社の体質を強くする!
じっくり時間をかけて取り組むことで、会社の経営基盤そのものを強化し、継続的にX2点を上げていくための対策です。
- 安定した利益の確保
- 受注戦略の見直し: 利益率の高い工事の受注を増やしたり、安定的な受注を確保できるような営業戦略を立てることが重要です。
- 原価管理の徹底: 工事の原価を厳しく管理し、無駄をなくすことで、利益率を向上させます。
- 生産性の向上: 業務効率を改善し、より少ないコストでより多くの成果を出せるようにすることで、利益増加に繋がります。
- 財務体質の強化
- 内部留保の積み増し: 毎年着実に利益を出し、それを内部に留保していくことで、自己資本を継続的に増やしていくことが、最も堅実な方法です。
- 借入金の適正化: 過度な借入金は財務状況を圧迫する可能性があります。資金計画をしっかり立て、必要最低限の借入に抑えるようにしましょう。
- 経営計画の策定と実行
- 明確な経営目標を設定し、それを達成するための具体的な行動計画を立て、着実に実行していくことが、会社全体の成長とX2点の向上に繋がります。
X2点は、会社の安定性と収益性を示す大切な指標です。
短期的な対策で応急処置をすることも大切ですが、やはり長期的な視点に立って、会社の経営体質を根本から強化していくことが、将来の安定した経営に繋がります。
この情報が、あなたの事業の発展に少しでも貢献できれば幸いです。

