建設業許可の「営業所要件」とは?

軽く、Youtubeでも動画をアップしています。

こんにちは。
大阪府吹田市の行政書士いわた事務所です。

建設業許可取得の要件のひとつに、「営業所要件」があります。

「きちんと事務所を構えていてください」という事ですが、どういう事務所がOKか疑問に思う方も多いです。

この記事では、建設業許可を受けたい方に向けて説明しています。

1.「営業所」の要件は?

「営業所」は、常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいいます。
請負契約の見積り、入札、協議など請負契約の締結を実際に行います。

単なる登記上の本店や作業所などは、営業所に該当しません。
物理的な要件については、以下のとおりです。

  1. 独立した事務所であること
    物理的にも独立した一室を営業所として設けること。
    看板、標識などで、外部から建設業の営業所であることが分かるようにしなければなりません。
    集合ポストに自社名や、入口ドアに自社名の表示が必要です。
    自宅兼事務所であっても商号などを併記し、建設業者であることが分かるようにしましょう。
  2. 固定電話、事務機器、机等什器備品を備えていること
    固定電話を設置する必要があります。
    営業所には見積書などを作成するため、事務作業ができる設備が整っていなければなりません。
  3. 商談(契約)スペースがあること
    デスクと複数の椅子があればOKですが、何らかのスペースが必要です。
  4. 常時使用する権限を有していること
    自己物件か、賃貸借契約を結んでいる必要があります。
    賃貸借契約書の「目的」欄に「居住用にかぎる」だと、許可申請をすることができません。
    必要に応じて、不動産登記簿謄本、賃貸借契約書又は使用承諾書等の提示を求める場合があります。
  5. 営業所ごとに建設業の許可票を掲げていること
    各営業所ごとに、室内に標識(建設業の許可票)掲示します。
    金看板と呼ばれ、許可年月日や許可業種が書かれている物です。
    本当に金看板である必要は無く、紙で作成された物でもOKです。
  6. 支店等の代表者が常勤しており、かつ契約締結等に関する権限を申請者から委任されていること
    本店には「経営業務の管理責任者」が常勤していなければなりません。
    支店には「令3条の使用人」が常勤しなければなりません。
    遠隔地に住んでおり、通勤が不可能な場合は認められません。
  7. 専任技術者が営業所に常勤して、専らその職務に従事していること
    「専任技術者」が、営業所に常勤していなければなりません。

2.営業所の注意点

営業所のキーポイントは、「独立性の確保」と「業務の継続性」です。
以下の点に注意する必要があります。

  1. 転送不要郵便
    建設業許可が下りると、行政庁から「建設業許可通知書」が本店に郵送されます。
    その場所に建設業の営業所が存在しているのか、所在確認を兼ねているため転送することは出来ません。
    転送の手続きをしているときは、転送取消しの手続きを忘れないように注意してください。
  2. 独立性の確保
    自宅を事務所とする場合は、住居の部分と事務所の部屋を別々に確保する必要があります。
    入り口が1つで、同じ部屋に別法人が混在している場合はアウトです。
    固定式パーティションで区切り、他の事務所部分を通らずに事務所に入れるようにしなければなりません。
  3. レンタルオフィス
    レンタルオフィスでの許可申請は、かなり厳しいです。
    しかし、「レンタルオフィスは建設業の営業所として認めない」と明確には定められてはいません。
    契約する前には、許可行政庁へ事前に相談する方が無難でしょう。

3.気を付けるべき点

営業所は必ずしも、「登記簿上の本店所在地」でなくても構いません。
建設業法の「営業所」とは、常時建設工事の請負契約を締結する事務所を「主たる営業所」して登録します。
「主たる営業所」以外にも設置する場合は、「従たる営業所」といいます。

建設業許可にはローカルルールがあり、詳しくは建設業の手引きを見てください。