能力評価制度(レベル判定)とは?

Youtube動画でも、軽く内容をアップしています。

こんにちは。
大阪府吹田市の行政書士いわた事務所です。

この記事では、建設キャリアアップシステムのレベルアップについて説明しています。

1.建設技能者の能力評価制度(レベル判定)とは?

「建設技能者の能力評価制度(レベル判定)」とは、技能者のスキルを能力評価基準と照らし合わせて、基準をクリアしたときにレベルが付与されます。

判定されたレベルに応じて、キャリアアップカードが技能者のレベルにより4段階に分けています。
能力評価を行うためには、まず技能者登録(詳細型)での登録が必要となります。

レベル1:ホワイト 初級技能者(見習いの技能者)
建設キャリアアップシステムに技能者登録し、レベル判定を受けていない技能者がレベル1となります。

レベル2:ブルー 中堅技能者(一人前の技能者)

以下2つの要件を満たすと、レベル2にUPできます。

  1. 建設キャリアアップシステムに蓄積された就業日数が、645日(3年)以上であること。
  2. 指定された資格を保有していること。

レベル3:シルバー 職長として現場に従事できる技能者

以下3つの要件を満たすと、レベル3にUPできます。

  1. 建設キャリアアップシステムに蓄積された就業日数が、1,505日(7年)以上であること。
  2. 指定された資格を有していることと、レベル2の資格も有していること。
  3. 建設キャリアアップシステムに蓄積された職長または班長としての就業日数が、215日(1年)以上であること。

※職長とは、現場や作業所の技能者に対して指導監督する立場の方です。
※班長とは、所属する班が最大限効果を発揮できるよう指揮監督する立場の方です。

レベル4:ゴールド 高度なマネジメント能力を有する技能者(登録基幹技能者等)

以下3つの要件を満たすと、レベル4にUPできます。

  1. 建設キャリアアップシステムに蓄積された就業日数が、2,150日(10年)以上であること。
  2. 指定された資格を有していることと、レベル2とレベル3の資格も有していること。
  3. 建設キャリアアップシステムに蓄積された職長としての就業日数が、645日(3年)以上であること。
能力評価制度
出典:国土交通省ウェブサイト (https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_fr2_000040.html)

CCUSの技能レベルの判定受付とカード発行の1ステップで行う制度整備を行っており、その間は各能力評価実施団体がレベル判定を受け付けています。

能力評価を受けるには、団体の職種と建設キャリアアップシステムの技能者登録上の職種コードが含まれている必要があります。

手続の詳細は団体によって異なる場合がありますので、必ず各団体のホームページでご確認ください。

建設キャリアアップシステムに関する『能力評価実施団体』一覧

レベル判定にあたっては、所有している資格だけではなく、経験年数も必要です。

2024年3月までの経過措置として、建設キャリアアップシステムに登録されている一番古い資格の取得日等から算出していました。
2024年4月以降は、建設キャリアアップシステムに蓄積された就業日数や立場等で審査されます。

2.能力評価(レベル判定)を行うメリット

レベル判定により、建設技能者の技能について客観的な評価を行います。
メリットとしては、以下のとおりです。

  1. 取引先や顧客に対して、技能水準を対外的にPRできます。
  2. 建設技能者のキャリアパスの明確化を図り、若年層の入職を拡大、定着を促進します。
  3. 建設技能者を雇用する専門工事企業の評価と連動させることで、高い技能を有する建設技能者を育て、雇用する企業が選ばれる環境を整備し、建設業界における人材育成と処遇改善の好循環を創成します。
  4. 技能や経験に裏打ちされた建設技能者の地位の向上を図り、建設業全体のイメージアップを図ります。

事業者にとっては、技能者の能力が上がることで自社の評価がUPされ、受注拡大に繋がります。
技能者にとっては、自身のスキルを対外的にアピールでき、モチベーションの向上に繋がります。


また経営事項審査でも、加点対象となっています。

(1)令和2年4月からレベル3、4判定の技能者は、経営事項審査の加点対象になりました。

技術職員数(Z1)改正で、建設キャリアアップシステムのレベル判定を活用し、 優れた技能者を雇用する企業を加点対象として評価します。

  • レベル4の技能者 ⇒ 「登録基幹技能者」同等のレベルとして評価し、「3点」の評点を付与
  • レベル3の技能者 ⇒ 「技能士1級」同等のレベルとして評価し、「2点」の評点を付与

(2)令和3年4月からW10(知識および技術または技能の向上に関する取組の状況)に、経営事項審査の加点対象になりました。

W10(知識および技術または技能の向上に関する取組の状況)の評価は、技術者と技能者で評価が行われます。
技能者の場合は、審査基準日以前3年間で1以上レベルが向上した方が対象となります。

技能者数は、審査基準日以前3年間に、建設工事の施工に従事した者であり、 作業員名簿を作成する場合に建設工事に従事する者として氏名が記載される者の数になります。
(ただし、建設工事の施工の管理のみに従事する者(監理技術者や主任技術者として管理に係る業務のみに従事する者)は除きます)