建設キャリアアップシステムの使い方

Youtube動画でも、軽く内容をアップしています。

こんにちは。
大阪府吹田市の行政書士いわた事務所です。

この記事では、建設キャリアアップシステムの仕組み、目的について解説しています。

1.建設キャリアアップシステム(CCUS)の目的

平成31年4月より、全国で建設キャリアアップシステムの運用が開始されました。

日本は少子高齢化の進行に伴い、働き手を確保することが建設業界でも難しくなってきています。
やる気のある技術者の能力を正しく評価し、若い人材や業界未経験者を迎え入れたい狙いがあります。
建設業界全体のルールを統一し、人材を適切に評価するシステムが必要になります。

建設キャリアアップシステムにより、技能者の就業履歴や保有資格など、目に見えるかたちにすることで処遇の改善に繋がります。

建設キャリアアップシステムに技能者登録を行うと、キャリアアップカードが作成されます。
キャリアアップカードを技能者が現場入場時にカードリーダーへかざすと、当日の就業履歴が蓄積されます。
蓄積されたデータは帳票などに出力したり、技能者一覧として表示することができます。

建設キャリアアップシステムの流れ
出典:国土交通省ウェブサイト (https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/localgovCCUS.pdf)

キャリアアップカードは、技能者のレベルにより4段階に分けています。

  • レベル1:ホワイト 初級技能者(見習いの技能者)
  • レベル2:ブルー 中堅技能者(一人前の技能者)
  • レベル3:シルバー 職長として現場に従事できる技能者
  • レベル4:ゴールド 高度なマネジメント能力を有する技能者(登録基幹技能者等)
能力評価制度
出典:国土交通省ウェブサイト (https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_fr2_000040.html)

2.建設キャリアアップシステムの登録は、今のところ任意

建設キャリアアップシステムの登録は、現時点では「任意」です。
登録しなくても、罰則等はありません。

ただし、状況によっては、登録が義務となるケースがあります。

令和元年7月5日に、建設分野の技能実習生(外国人労働者)の受け入れにあたり、給与の月給制、建設キャリアアップシステムの登録を義務とすることなどの基準が強化され、令和2年1月1日より施行されました。

外国人を受け入れる事業者と、もとより登録が義務付けられていた特定技能外国人に加えて、技能実習生、外国人建設就労者に関しても、同じく登録が義務となりました。

外国人技能実習生が働いていた職場から、失踪するケースが後を絶たないという現状があります。
このような背景から、外国人本人の技能者登録が、義務となりました。

建設キャリアアップシステムの登録は、現時点では任意となっていますが、「実質的な義務化」の流れになりつつあります。


国土交通省は、令和5年度から、「あらゆる工事でのCCUS(建設キャリアアップシステム)の完全実施」を目指す施策を打ち出しています。

公共工事のみならず、民間工事等も対象になります。