建設業許可は取って終わりじゃない!「決算変更届」忘れずにできてますか?
建設業許可を維持するためには、いくつか大切な手続きが必要になります。
その中でも特に重要なのが、毎年提出が必要な「決算変更届」です。
これを忘れてしまうと、せっかく取得した許可が維持できなくなってしまう可能性もあるんですよ。
この記事では、皆さんが安心して事業を続けられるよう、「決算変更届」について優しく、そして詳しく解説していきますね。
1.なぜ「決算変更届」が必要なの?許可業者に課された大切な義務
「決算変更届」とは、その名の通り、会社の決算内容に変更があった場合に提出する書類のことです。正式には「事業年度終了届」と呼ばれたりもします。
「でも、許可はもう取ったんだから、毎年会社の決算書を出す必要なんてあるの?」と思われるかもしれませんね。
実は、建設業許可は、申請時の会社の状況(経営状態、技術者の在籍状況など)が基準を満たしているかを見て与えられます。
そして、その基準を満たし続けているかを、定期的に確認する必要があるんです。
この「確認」のために、毎年皆さんの会社の最新の状況を行政庁に報告する義務が課せられています。
決算書は、会社の財産状況や経営状況を最も正確に表す書類。
これを提出することで、「この会社は、今も問題なく建設業を営める基準を満たしているな」と行政庁が判断できるわけです。
この届出を怠ってしまうと、許可の更新ができなかったり、最悪の場合、許可を取り消されてしまう可能性もあるので、とても大切な手続きなんです。
2.「決算変更届」っていつ出すの?提出期限と提出書類
では、具体的にいつ、何を提出すればいいのでしょうか?
- 提出期限
「決算変更届」の提出期限は、事業年度終了後、4ヶ月以内と定められています。
例えば、多くの会社が採用している3月決算の会社であれば、3月末が事業年度の終わりなので、そこから4ヶ月以内、つまり7月末までに提出する必要があります。
うっかりしているとあっという間に期限が来てしまうので、決算が終わったら早めに準備を始めるのがおすすめです。
- 提出書類
提出する書類はいくつかありますが、主なものは以下の通りです。- 変更届出書(事業年度終了届):会社の基本情報や、変更があった事項を記載します。
- 工事経歴書:その事業年度に完成した工事の実績を記載します。どんな工事を、いくらで、いつ行ったのかを具体的に記入します。
- 直前3年の各事業年度における工事施工金額:過去3年間の工事の請負金額をまとめます。
- 財務諸表:貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、注記表など、会社の決算内容がわかる書類一式です。
- 事業報告書(株式会社のみ):会社の事業活動の概況をまとめた書類です。
- 附属明細表:株式会社で、資本金の額が1億円超であるもの又は直前決算の貸借対照表の負債の合計額が200億円以上である場合に提出。
- 納税証明書:大臣許可は法人税、知事許可は事業税の納税証明書を添付します。
- 使用人数と健康保険等の加入状況:使用人数の変更があった場合に提出。
- 定款の写し:定款に変更があった場合に提出。
- 建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表:令第3条に規定する使用人に変更があった場合に提出。
これらの書類は、一つでも欠けていたり、内容に不備があると受け付けてもらえません。
特に財務諸表は、税理士が作成した税務申告用の決算書を、建設業法用に書き換えて作成する必要があるので専門的な内容になります。
もし、うっかり「決算変更届」の提出を忘れてしまったという場合でも、すぐに諦める必要はありません。
まずは落ち着いて、できるだけ早く提出の手続きを進めましょう。
期限を過ぎてしまっていても、遡って提出することは可能です。
ただし、提出が遅れてしまった理由書の添付を求められたり、場合によっては行政庁からの指導が入ることもあります。
提出書類の中には、工事経歴書のように、日々の記帳と合わせて作成しておかないと後から準備が大変になるものもあります。
せっかく取得した大切な建設業許可。
安心して事業を継続していくためにも、適切な時期に適切な手続きを行うことが何よりも大切です。
この情報が、あなたの事業の発展に少しでも貢献できれば幸いです。

