建設業許可の基本「エリア」「工種」「規模」

軽く、Youtubeでも動画をアップしています。

こんにちは。
大阪府吹田市の行政書士いわた事務所です。

建設業許可を受ける前に、知っておくべき基本があります。

この記事では、建設業許可を受けたい方に向けて解説しています。

1.許可行政庁は、「知事許可」と「大臣許可」がある

建設業許可には、「都道府県知事許可」と「国土交通大臣許可」があります。
営業所が単一の都道府県内に存在する場合は、都道府県知事許可になります。
営業所が複数の都道府県に存在する場合は、国土交通大臣許可になります。

例えば本店も支店も大阪府内にある場合は、大阪府知事許可です。
本店は大阪府にあり、支店は兵庫県にある場合は、国土交通大臣許可です。
以下の図だと、B社は大阪府知事許可になり、A社は国土交通大臣許可になります。

営業所が複数の都道府県に存在する場合

本店が大阪府にあり、兵庫県の営業所では建設業をやっていない場合、大阪府知事許可を取得することになります。
建設業に実質的に関与する場合が、建設業でいう「営業所」に該当します。

国土交通大臣許可の許可事務は、主たる営業所の所在する地域を管轄する国土交通省の各地方が所管となります。
北海道開発局、沖縄開発局のほか、各地方整備局の建設業担当部署が管轄します。

2.工種には、2種類の一式工事と27種類の専門工事

建設業許可には、2種類の一式工事と27種類の専門工事の29業種があります。
その業種ごとに許可を取得する必要があります。

「一式工事業の許可を持ってるから、なんでも出来る?」と思われる方がおられます。
一式工事とは、原則として元請業者の立場で総合的な企画、指導、調整の下に建設する工事です。
複数の下請業者によって施工される大規模かつ複雑な工事をいいます。

一式工事業の許可があっても、各専門工事の許可が無ければ500万円(税込)以上の工事を単独で請負えません。

3.許可区分に「一般」と「特定」がある

建設業許可には、「一般建設業」と「特定建設業」の2つの区分があります。
一定の要件に該当する場合は、「特定建設業」の許可が必要となります。

同じ業種で、「一般建設業」と「特定建設業」を同時に受けることは出来ません。
また全ての業種を、「一般建設業」か「特定建設業」に揃える必要はありません。
建築一式工事は「一般建設業」、内装工事は「特定建設業」のように、許可を取得することができます。

元請業者が発注者から請負った1件の工事を、工事の「全部」または「一部」を下請に出す場合で、以下に該当する場合は「特定建設業」が必要です。

令和5年1月1日から、特定建設業の許可、監理技術者の配置及び施工体制台帳の作成を要する下請代金額の下限について、4000万円(建築一式工事の場合は6000万円)から4500万円(建築一式工事の場合は7000万円)に引き上げられました。

  1. 建設一式工事の場合で、7,000 万円以上(消費税込)となる下請契約を締結する場合
  2. 建設一式工事以外の場合で、4,500 万円以上(消費税込)となる下請契約を締結する場合

複数の下請業者と締結する場合は、合計金額として計算します。

合計金額として計算

元請業者が請負った工事を、全て自社で施工する場合には「特定建設業許可」は必要ありません。
そして下請業者は、いくらの金額でも「特定建設業許可」は必要ありません。

4.気を付けるべき点

国土交通大臣許可は、複数の都道府県に営業所を展開する建設業者になります。
都道府県内に営業所が複数あっても、県内に収まっている限りは知事許可です。

建設業許可で言う営業所とは、工事の請負契約に関する業務を行っている事務所を指します。
契約業務を行っていなくても、各営業所に指示を飛ばす本社も営業所に該当します。

申請する役所は、本店所在地を管轄する地方整備局になります。

そして特定建設業許可が生まれた理由は、下請け業者の保護です。
許可を取る条件も、一般建設業許可より厳しくなっています。