建設キャリアアップシステムの「能力評価制度」って何?行政書士が解説
建設業に携わる皆様、毎日のお仕事、本当にお疲れ様です。
建設キャリアアップシステム(CCUS)について、
「なんだか難しそう」
「うちの会社もやらないとダメ?」
といった不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
今回は、行政書士の視点から、CCUSのレベル判定のポイントを、わかりやすく解説させていただきますね。
1.「能力評価制度」って、どんなもの?
建設キャリアアップシステム(CCUS)とは、建設現場で働く技能者の皆様の「能力」や「経験」を、国が定めたルールに基づいて、正しく評価・見える化するための仕組みです。
これまで、個人のスキルや資格、頑張りがなかなか賃金や待遇に反映されにくかった面がありました。
このシステムは、一人ひとりの努力を公平に評価し、適正な報酬につながるように支援することを目的としています。
例えるなら、皆さんの頑張りを「デジタルな履歴書」に積み重ねていくようなイメージです。
まず、能力評価制度の仕組みを知る前に、なぜこれが重要なのかをお話しさせてください。
CCUSのレベル判定は、あなたの「スキル」と「経験」を客観的に証明するためのものです。
レベルが上がると、
- あなた自身の賃金や待遇の改善につながります。
- 元請けや発注者から、会社がより信頼されるようになります。
つまり、皆さんの頑張りが、ご自身のキャリアアップはもちろん、所属する会社の信頼性向上にもつながる、とっても大切な仕組みなんです。
自分のスキルがわかる!CCUSの「レベル判定」とは?
CCUSに登録した技能者の方は、就業履歴や保有資格などに応じて、4つの技能レベルに分けられます。このレベルを決めるのが「レベル判定」です。
CCUSの技能者登録(詳細型)を行っている技術者が、能力評価申請を行うことで、レベル1からレベル4までの4段階で能力評価が行われます。

- レベル1:ホワイト 初級技能者(見習いの技能者)
建設キャリアアップシステムに技能者登録し、レベル判定を受けていない技能者がレベル1となります。
- レベル2:ブルー 中堅技能者(一人前の技能者)
以下2つの要件を満たすと、レベル2にUPできます。- 建設キャリアアップシステムに蓄積された就業日数が、645日(3年)以上であること。
- 指定された資格を保有していること。
- レベル3:シルバー 職長として現場に従事できる技能者
以下3つの要件を満たすと、レベル3にUPできます。- 建設キャリアアップシステムに蓄積された就業日数が、1,505日(7年)以上であること。
- 指定された資格を有していることと、レベル2の資格も有していること。
- 建設キャリアアップシステムに蓄積された職長または班長としての就業日数が、215日(1年)以上であること。
※職長とは、現場や作業所の技能者に対して指導監督する立場の方です。
※班長とは、所属する班が最大限効果を発揮できるよう指揮監督する立場の方です。
- レベル4:ゴールド 高度なマネジメント能力を有する技能者(登録基幹技能者等)
以下3つの要件を満たすと、レベル4にUPできます。- 建設キャリアアップシステムに蓄積された就業日数が、2,150日(10年)以上であること。
- 指定された資格を有していることと、レベル2とレベル3の資格も有していること。
- 建設キャリアアップシステムに蓄積された職長としての就業日数が、645日(3年)以上であること。
2.レベル判定を左右する3つの評価ポイント
では、いよいよ本題です。
技能者のレベルは、主に以下の3つの要素を総合的に評価して決まります。
どれも、皆さんがこれまで頑張ってきたことの“証”となるものです。
- あなたの『経験値』!就業日数
これは、現場で働いた日数、つまりあなたの経験そのものが評価されるということです。
CCUSに登録したICカードを現場のリーダーさんにタッチしてもらうことで、就業履歴が自動で記録されていきます。
一つひとつの現場での作業が、着実にレベルアップにつながっていくんですよ。
- あなたの『専門性』!保有資格
持っている建設業に関する資格や免許も、レベル判定の大きなポイントです。
例えば、施工管理技士、玉掛け、足場組立て等作業主任者、あるいは各種技能士など、あなたの専門的な知識や技術を証明する資格は、漏れなく登録することが大切です。
- あなたの『リーダー力』!職長・班長としての就業日数
特に上のレベル(レベル3やレベル4)を目指す場合に重要になるのが、現場でのリーダー経験です。
職長や班長として、他の技能者さんをまとめ、安全に配慮しながら作業を進めた経験は、あなたの管理能力やリーダーシップを証明するものとなります。
申請前の3つの確認ポイント
申請をスムーズに進めるために、まずは以下の3点をしっかり確認しましょう。
- 技能者登録は全員済んでいますか?
レベル判定は、まずCCUSへの技能者登録が完了していることが大前提です。
一人ひとりの登録情報が、後のレベル判定の基礎となりますので、間違いがないか再度確認してくださいね。- 技能者IDは正確に取得できていますか?
- 顔写真や基本情報(氏名、生年月日など)は正しく登録されていますか?
- 職種と経験は正しく入力されていますか?
CCUSのレベル判定は、職種によって評価基準が異なります。
「この資格は関係ないかな…」と思わず、関連する資格はすべて登録しておくのがポイントです。- 一人ひとりの職種(例:大工、とび、電気工事など)は、実際の担当と合っていますか?
- 保有している資格や、職長経験は、すべて漏れなく登録されていますか?
- 職長・班長経験の証明は準備OK?
レベル3(職長)以上を目指す場合、職長・班長としての就業経験を証明する必要があります。
この証明がしっかりしているかどうかで、レベルアップの可否が変わってきます。- 職長・安全衛生責任者教育の修了証など、証明できる書類は手元にありますか?
- 現場での職長としての就業履歴は、正しく登録されていますか?
3.具体的な申請方法!ステップで見るCCUSレベル判定の手順
ステップ1:申請前の準備と確認
レベル判定を申請するには、まず以下の条件を満たす必要があります。
- 詳細型登録: CCUSに詳細型で技能者登録が完了している必要があります。簡略型で登録している場合は、詳細型への変更が必要です。
- 能力評価基準の確認: 申請する職種の能力評価実施団体が定めている評価基準を確認します。特に、レベル2以上への判定に必要な保有資格と、CCUSに登録されている就業日数が、基準を満たしているか確認しましょう。
- 申請先の確認: 職種ごとに異なる能力評価実施団体が申請を受け付けています。所属している事業者や組合、または各団体のウェブサイトで、正確な申請先を確認してください。
ステップ2:必要書類の収集
申請には複数の書類が必要です。
必要書類は団体によって異なる場合がありますが、一般的には以下の書類を準備します。
- 能力評価申請書 兼 CCUSカード交付申請書
- 経歴証明書: 2024年3月までの就業期間は、所属事業者や組合が発行した経歴証明書が必要です。2024年4月以降はCCUSに蓄積された就業日数が評価対象となります。
- CCUS技能者カードのコピー: カラーで写真が写っているものが必要です。
- 保有資格の証明書類のコピー: 技能士証、免許、修了証など、保有資格を証明する書類のコピーをすべて用意します。
- 個人情報利用に関する同意書: CCUSの情報提供に同意する書類です。
- 手数料の振込証明書: 振込明細書や領収書のコピーを準備します。ただし、全額支援期間中の場合は不要な場合もあります。
ステップ3:申請手数料の支払い
レベル判定には手数料が発生します。
- 通常の手数料: 一般的なレベル判定手数料は4,000円(税込)です。
- 全額支援期間: 2025年8月1日から2026年3月31日までの申請分については、手数料が全額支援されるため無料です。この期間に申請する場合は、費用負担はありません。
ステップ4:書類の提出と申請
全ての書類と手数料の準備ができたら、申請を行います。
- 提出方法: 能力評価実施団体によって、郵送、メールへの添付、またはウェブサイトの専用フォームに入力して提出します。団体の指示に従ってください。
- 代行申請: 申請は技能者本人が行うこともできますが、所属している事業者が複数の技能者をまとめて代行申請することが一般的です。
ステップ5:審査とカードの受領
書類提出後、能力評価実施団体による審査が行われます。
- 審査: 申請書類とCCUSの登録情報が照合され、能力評価基準を満たしているか審査されます。
- 結果通知: 審査が完了すると、通常1週間から1ヶ月程度で「能力評価(レベル判定)結果通知書」がメールなどで送付されます。
- 新カードの交付: 審査に合格すると、新たな技能レベルが記載されたCCUSカードが、簡易書留で送付されます。
CCUSの登録やレベル判定は、最初は少し難しく感じるかもしれません。
特に、一人親方の方や中小企業の社長様は、「書類の準備が大変そう」「手続きが複雑でわからない」といったお悩みをよく耳にします。
この情報が、あなたの事業の発展に少しでも貢献できれば幸いです。

