「業種追加」で売上アップ!営業所技術者・経営業務の管理責任者の要件は再確認が必要?

「新しい業種の許可を取って、もっと売上を伸ばしたい!」

「業種追加を考えているけど、また一から要件を確認しないといけないの?」

建設業許可の「業種追加」は、新たな市場を開拓し、売上アップに直結する大きなチャンスです。

しかし、既に許可を持っているからといって、何も確認せずに進めてしまうと、思わぬところでつまずいてしまうこともあります。

今回は、業種追加をスムーズに進めるために、特に重要な「営業所技術者(専任技術者)」と「経営業務の管理責任者(経管)」の要件について、再確認が必要なポイントを優しく、そして詳しく解説していきますね。

1.最重要ポイント!「営業所技術者」は追加業種ごとに必要です!

業種追加の際に、最も注意すべき、そして最も重要なのが、追加したい業種に対応できる「営業所技術者(専任技術者)」が、各営業所に常勤しているかどうかです。

ここが、業種追加の成否を分けると言っても過言ではありません。

  1. 追加する業種に対応できる技術者がいますか?
    • 現在持っている許可の営業所技術者が、追加したい業種の要件も満たしているとは限りません。例えば、建築一式工事の営業所技術者が、電気工事の営業所技術者も兼ねられるとは限りません。
    • 追加したい業種に対応する国家資格(例:電気工事なら電気工事士、管工事なら管工事施工管理技士など)を持っている方がいますか?
    • もし資格がない場合、その追加したい業種について、学歴に応じた実務経験(高卒で5年以上、大卒で3年以上)や、10年以上の実務経験を証明できる方がいますか?
  2. その技術者は「常勤」ですか?
    • 新たに営業所技術者となる方は、追加したい業種を申請する営業所に、専任で常勤している必要があります。他の会社の役員や従業員を兼務していないか、他の営業所の営業所技術者になっていないか、などを再確認しましょう。
  3. 実務経験の「証明書類」は揃っていますか?
    • 実務経験で証明する場合、追加したい業種に関する具体的な工事の請負契約書、注文書、請求書などが、年数分揃っているか、内容が明確か(例:単なる「工事」ではなく「電気工事」と明記されているか)を徹底的に確認する必要があります。これが不足していると、申請が受け付けられません。

      【対策!】
      • 追加したい業種が決まったら、まずその業種に必要な営業所技術者の要件を正確に把握し、社内の誰が満たせるかを確認しましょう。
        そして、その方の資格や実務経験を証明する書類を、漏れなく、そして内容が明確に分かるように準備することが、業種追加をスムーズに進めるための最重要ポイントです。

2.「経営業務の管理責任者」の要件は基本的に再確認不要です!

既に建設業許可をお持ちの場合、「経営業務の管理責任者(経管)」については、業種追加の際に改めて要件を満たしているかを確認する必要は基本的にありません

  • なぜ再確認が不要なのか?
    • 経管の要件は「全業種共通」だから: 経営業務の管理責任者の要件は、特定の建設業種に限定されるものではなく、建設業全体を経営する能力を問うものです。
      そのため、既にいずれかの建設業許可で経管の要件を満たしている方がいる場合、その方が追加する業種についても引き続き経管として認められます。
       
  • ただし、こんな場合は再確認が必要です!
    • 経管の方が交代した、または退任した: 許可取得後に経管の方が変わった場合、新しい経管の方が要件を満たしているか、そしてその変更届が適切に提出されているかを再確認する必要があります。
    • 会社の役員構成が大きく変わった: 経管の要件は役員の経験を問うため、役員の入れ替わりがあった場合は、念のため確認しておくと安心です。

      【対策!】
      • 経管については、基本的に既存の許可で要件を満たしていれば問題ありません。
        ただし、許可取得後に経管の方が交代したり、役員構成に大きな変更があったりした場合は、念のため確認しておきましょう。

3.営業所は大丈夫?~既存営業所の確認と新規営業所の場合~

業種追加は、既存の営業所で行うことがほとんどですが、もし新しい営業所を設けてそこで追加業種の工事を請け負う場合は、その営業所が建設業許可の要件を満たしているかを再確認する必要があります。

  1. 既存営業所の場合
    • 既に許可を受けている営業所であれば、基本的に問題ありません。
      ただし、その営業所に、追加する業種に対応できる「営業所技術者」が常勤しているかを改めて確認しましょう。
    • 営業所の所在地や名称に変更がないか、変更があれば変更届が提出済みかを確認してください。
       
  2. 新しい営業所を設ける場合
    • 新設する営業所が、独立した執務スペースであること(他の法人や個人事業主と明確に区別されていること)。
    • 固定電話や事務機器などが備えられていること。
    • そして、その新しい営業所に、追加する業種に対応できる営業所技術者が常勤していることが必須です。
       
      【対策!】
      • 業種追加に伴い、新たな営業所を設置する場合は、その営業所が建設業許可の要件を満たしているか、そしてそこに営業所技術者を配置できるかを事前に確認しましょう。
        バーチャルオフィスなど、実体のない営業所は認められませんので注意が必要です。

建設業許可の業種追加は、会社の売上アップに直結する大きなチャンスです。

特に「営業所技術者」の要件は、追加する業種ごとに確認が必要な重要なポイントとなります。

この情報が、あなたの事業の発展に少しでも貢献できれば幸いです。