建設業の「業種追加」をする前に、知っておくべき3つの注意点!

「業種追加」とは、すでに許可を持っている建設業者が、別の業種の許可を受けることです。

建設業の許可を持っている企業様に対して、わかりやすく解説してみます。
閲覧していただいた皆様のご参考になれば嬉しいです!

1.建設業許可の業種追加とは?

「業種追加」とは、すでに建設業許可を取得している業種の他に、新たな業種を追加する場合の手続です。
以下のような時に、新たな業種を追加することが必要となります。

  • 新たな資格を取得し、業種を増やすことができるようになったとき
  • 元請から、新たな業種の工事を打診されたとき
  • 現在持っている業種だけでは、工事に対応できなくなったとき

建設業許可では、「一般建設業」と「特定建設業」という許可の種類があります。
同じ業種で、「一般建設業」と「特定建設業」の両方を持つことはできません。

例えば、「一般建設業」の防水工事の許可を持っている業者は、「特定建設業」の防水工事の許可を追加で取得することはできません。
「特定建設業」の防水工事が欲しい場合は、「一般建設業」の防水工事から「特定建設業」の防水工事にする「般・特新規」という手続きが必要になります。

同じ許可の種類を持っている場合に、違う業種を追加する場合は「業種追加」に該当します。

業種追加」の例

「一般建設業」の防水工事 ⇒ 「一般建設業」の管工事
「特定建設業」の防水工事 ⇒ 「特定建設業」の管工事

同じ許可の種類を持っていない場合に、違う業種を追加する場合は「般・特新規」に該当します。

「般・特新規」 の例

「一般建設業」の防水工事 ⇒ 「特定建設業」の管工事

「業種追加」の審査は、ほぼ新規申請の場合と変わりません。
1回も更新を受けていない場合は、建設業許可の要件すべてが審査されます。

更新を受けた場合でも、財産的基礎の審査が省略されるだけです。

なるほど

あとは許可行政庁へ納付する申請手数料が、新規申請より少し安くなります。

新規

「一般建設業」と「特定建設業」のいずれか一方のみの申請 ⇒ 9万円
「一般建設業」と「特定建設業」の両方同時の申請 ⇒ 18万円

業種追加

「一般建設業」と「特定建設業」のいずれか一方のみの申請 ⇒ 5万円
「一般建設業」と「特定建設業」の両方同時の申請 ⇒ 10万円

2.「業種追加」の3つの注意点について

(1)実務経験で専任技術者の要件をクリアするときの注意

業種追加では、専任技術者の要件をクリアしなければなりません。
国家資格のみで、専任技術者の要件をクリアするのが理想です。

専任技術者の要件については、以下のページでまとめています。

専任技術者の要件を得るのも楽じゃない。

建設業許可に必要な要件のひとつに、専任技術者(通称:せんぎ)があります。 専任技術者は、営業所に常勤する技術的総括責任者です。できれば実務経験より、国家資格で証…

自社で役員や従業員に実務経験を積ませて、専任技術者の要件をクリアする場合には注意が必要です。
業種追加をするということは、その業種で軽微な工事を受注していることになります。

決算変更届の「工事経歴書」と「直前3年の各事業年度における工事施工金額」にて、追加業種の工事実績を「その他工事」として必ず記載しておくことが重要です。
それが、実務経験の証明となります。

(2)変更届や決算変更届の提出漏れに注意

「業種追加」に限らず、「更新」や「般・特新規」の場合も、決算変更届を必ず提出しておかなければなりません。
提出しておかなければならない変更事項も、変更届を提出しておかなければなりません。
変更前の情報で許可を受けた場合、監督処分の対象となることがあります。

(3)許可の一本化に注意

「業種追加」をすると、すでに持っている業種と有効期限が異なってきます。
有効期限が異なると、次の2つの問題があります。

  • 手続き・手数料の負担が増える
  • 許可の期限管理が難しくなる

有効期限が異なると、5年ごとの更新申請はそれぞれ必要になります。
申請手数料も、その都度かかります。

この問題に対処するため、「許可の一本化」と呼ばれるものがあります。
「許可の一本化」とは、工事業種ごとで異なっている許可の有効期間を同じにすることです。

「許可の一本化」は、次のタイミングのどちらかで行うことができます。

  • 更新申請の際に、「許可の一本化」をおこなう
  • 追加申請の際に、「許可の一本化」をおこなう

「業種追加」をする際に、有効期間がまだ残っている別の業種の許可を同時に更新することで有効期限を合わせることができます。
注意点として、申請手数料が業種追加分(5万円)+ 更新分(5万円)が必要です。

また追加申請の「許可の一本化」の場合は、更新する許可の有効期間が残っている必要があります。
大阪府知事許可では30日、大臣許可では6カ月以上残っていることが条件です。

まとめ

事業拡大などによって、既に受けている許可業種だけでは足りなくなったら業種追加を検討しましょう。
業種追加で受注する工事が増えたら、主任技術者(監理技術者)の人数も足りている必要がありますよ。

まとめてみると。

  • 同じ業種で、「一般建設業」と「特定建設業」の両方を持つことはできない。
  • 「業種追加」の審査は、ほぼ新規申請の場合と変わらない。
  • 「業種追加」を自社の実務経験で専任技術者の要件をクリアするならば、「その他工事」として計上しておくこと。
  • 「業種追加」の前に、変更届や決算変更届の提出漏れに注意しておくこと。
  • 「業種追加」をする際に、有別の業種の許可を同時に更新することで「許可の一本化」ができる。

要件を満たしているのであれば、ビジネスチャンスを増やすために早めに行動した方が吉です。
仕事の幅を拡げることにより、企業の成長につなげてください。