「帳簿と財務諸表が合わない」 建設業個人事業主の記載ズレを防ぐチェック術
建設業の個人事業主の皆さん、日々の現場作業や経営業務、本当にお疲れ様です!
「一生懸命帳簿をつけて、会計ソフトにも入力したのに、いざ決算書を作ってみたら、なんか数字が合わない」
「どこをどう直せばいいのか分からない」
そんな風に、帳簿と財務諸表(決算書)の数字がズレてしまって、途方に暮れた経験はありませんか?
数字が合わないと、確定申告も不安になりますし、何よりご自身の事業の現状が正確に把握できず、困ってしまいますよね。
数字のズレは、誰にでも起こりうることです。
大切なのは、そのズレの原因を見つけ出し、正しく修正する「チェック術」を知っていることです。
皆さんが「帳簿と財務諸表のズレ」で失敗しないよう、その原因と、自分でできる効果的なチェック術を、優しく分かりやすくお伝えしますね。
1.なぜ「帳簿と財務諸表が合わない」ことが起こるの?
「毎日ちゃんと記録してるはずなのに」そう思われるかもしれません。
帳簿と財務諸表の数字がズレる原因は、いくつか考えられます。
- 入力ミスや転記ミス
これが最も多い原因かもしれません。- 金額の入力間違い: 「0」を一つ多く書いてしまったり、数字を打ち間違えたり。
- 日付の間違い: 別の月の取引として入力してしまったり。
- 勘定科目の間違い: 本来は「消耗品費」なのに「修繕費」として入力してしまったり。
- 二重入力・入力漏れ: 同じ取引を二回入力してしまったり、逆にレシートがあるのに、入力し忘れていたり。
- 計上漏れや重複計上
- 売上の計上漏れ: 工事の完成はしたが、請求書の発行や入金が遅れて、売上として計上し忘れてしまっていた。
- 経費の計上漏れ: 領収書をなくしてしまったり、プライベートの支払いと混同してしまったりして、経費として計上すべきものを忘れていた。
- 二重計上: 同じ材料費を二重に計上してしまった、など。
- 複雑な取引の処理ミス
- 減価償却費の計算ミス: 重機や車両などの固定資産の減価償却費の計算方法を間違えている。
- 家事按分の計算ミス: 自宅兼事務所の場合など、事業とプライベートで共用している費用を、事業分とプライベート分に分ける計算を間違えている。
- 消費税の処理ミス: 消費税の税込・税抜処理が混在している、など。
- 会計ソフトの初期設定ミスや連携エラー
- 会計ソフトの勘定科目設定が適切でない。
- 銀行口座やクレジットカードとの連携がうまくいかず、一部の取引が取り込まれていない。
これらの原因によって、日々の帳簿と、そこから自動で作成される財務諸表の数字にズレが生じてしまうのです。
記載ズレを防ぐ!日々の「帳簿チェック術」
ズレをなくす一番の近道は、ズレを発生させないこと、そして早期に発見することです。
日々の帳簿付けの段階から、以下のチェック術を心がけましょう。
- 「日々記帳」を習慣にする!
- まとめて記帳はリスク大!: 「後でまとめてやろう」と思うと、記憶が曖昧になったり、レシートをなくしたりして、ミスが増える原因になります。
- 会計ソフトを活用: 毎日数分でも良いので、その日の取引を会計ソフトに入力する習慣をつけましょう。会計ソフトは、銀行口座やクレジットカードと連携すれば自動で取り込んでくれるので、手間が大幅に削減できます。
- 「月次決算」でこまめにチェック!
- 年に一度の決算だけでなく、毎月(または四半期ごと)に帳簿を締め、「月次決算」のように損益計算書などを確認する習慣をつけましょう。
- 早期発見: ズレが生じていても、その月の取引に限定されるので、原因を見つけやすくなります。
- 経営状況の把握: 毎月の売上や費用、利益の推移を把握することで、事業の「健康状態」をこまめにチェックでき、適切な経営判断に繋がります。
- 証拠書類との照合を徹底する!
- レシート・領収書と帳簿を突き合わせる: 費用を入力したら、必ずそのレシートや領収書と、入力した金額や日付が合っているかを確認しましょう。
- 銀行口座・クレジットカード明細と帳簿を照合: 銀行の入出金履歴やクレジットカードの利用明細と、会計ソフトの記録が一致しているかを定期的に確認しましょう。特に、毎月自動で引き落とされる家賃やリース料などは、計上漏れがないか要注意です。
- 請求書と帳簿を突き合わせる: 発行した請求書と、売上として計上した金額が一致しているか、入金が確認できているかなどをチェックしましょう。
ズレを発見したらどうする?「調整・修正術」
もしズレを発見してしまっても、焦る必要はありません。
冷静に原因を探し、修正しましょう。
- 「勘定科目内訳明細書」をチェック!
- 青色申告決算書には、売上や費用の内訳を詳細に記入する「勘定科目内訳明細書」という書類があります。
- この書類を見て、「この科目の金額、多いな」「これって何に使ったっけ?」など、違和感のある科目から調べていくと、ズレの原因が見つかりやすいです。
- 「試算表」を活用する!
- ほとんどの会計ソフトには、「試算表」という機能があります。これは、ある時点でのすべての勘定科目の残高を一覧にしたものです。
- 試算表の確認ポイント
- 現金残高がマイナスになっていないか?: 現金がマイナスになることは物理的にあり得ないので、これは間違いなく入力ミスです。
- 預金残高が通帳と合っているか?: 試算表の預金残高と、実際の銀行預金残高が一致しているかを確認しましょう。
- 売掛金や買掛金の残高は適切か?: 個別の未回収や未払いの金額と、試算表の残高が合っているか確認しましょう。
- 「期首残高」をチェックする!
- 新しい会計年度になった時に、前の年度からの繰越残高(期首残高)が正しく入力されているかを確認しましょう。これがズレていると、全ての数字が合わなくなってしまいます。
- 「総勘定元帳」で詳細を確認!
- 会計ソフトから「総勘定元帳」を出力してみましょう。これは、各勘定科目(売上高、材料費など)ごとに、いつ、どんな取引があったのかが、日付順に詳細に記録されている帳簿です。
- 試算表でズレが見つかった科目を、この総勘定元帳で一つずつ確認していくと、どの取引でミスがあったのかを特定できます。
2.青色申告向け!「自分で作る」を成功させるコツ
青色申告で確定申告を行っている場合、貸借対照表と損益計算書を作成しているため、建設業財務諸表の作成も決算書で作成する法人と変わりはありません。
注意事項としては、青色申告の「貸倒引当金」が右側の負債に記載されていますが、建設業の貸借対照表では資産の部でマイナス表示で記載します。
また「事業主貸」が左側の資産に記載されていますが、建設業の貸借対照表では純資産の部でマイナス表示で記載します。

青色申告の損益計算書では、「専従者給与」の欄があります。
建設業の財務諸表に記載する場合は、工事原価か経費なのか確認したうえで、振り替える必要があります。
建設業の貸借対照表の「事業主利益」は、青色申告の損益計算書から「青色申告特別控除前の所得金額」が該当します。
「所得金額」ではないので、気を付ける必要があります。

3.白色申告向け!「自分で作る」を成功させるコツ
建設業の貸借対照表の「事業主利益」は、白色申告の収支内訳書から「専従者控除前の所得金額」が該当します。
「所得金額」ではないので、気を付ける必要があります。

問題は白色申告の収支内訳書と、10万円控除を適用する青色申告には、貸借対照表の添付義務はありません。
複式簿記ではなく、単式簿記の現金主義で収支内訳書は作成されています。
そのため収支内訳書の裏面にある「原価償却費の計算」欄の未償却残高や、現預金残高などを根拠として貸借対照表を作成することになります。
4.個人事業主の『貸借対照表』の書き方例
個人事業主の『貸借対照表』の書き方例は、以下のようになります。
青字の項目は、大阪府の様式にはない項目で追加しています。

資産の部
- 流動資産
- 現金預金
現金のほか、小切手、送金為替手形、郵便為替証書、期限の到来した公社債の利札などです。
預金および金銭債権で、決算期後1年以内に現金化できると認められるものも含まれます。
(決算書の表示例=現金、普通預金、当座預金、定期預金、積立預金、小切手) - 受取手形
営業取引によって発生した手形債権および電子記録債権を記載します。
(決算書の表示例=受取手形、電子記録債権) - 完成工事未収入金
建設工事に係る売上代金の未収分は、完成工事未収金として計上します。
(決算書の表示例=工事未収入金、未収工事金) - 売掛金
兼業事業売上代金に係る未収分は、「売掛金」として計上します。
(決算書の表示例=兼業事業未収入金、不動産事業未収入金) - 有価証券
時価の変動により利益を得ることを目的として保有する有価証券および決算期後1年以内に満期の到来する有価証券です。
(決算書の表示例=有価証券、売買目的有価証券) - 未成工事支出金
期末時点で完了していない工事に支出した工事費を記載します。
(決算書の表示例=未成工事支出金、前渡金、仕掛工事、仕掛品、棚卸資産) - 材料貯蔵品
手持ちの工事用材料および消耗工具器具ならびに事務消耗品などのうち、未成工事支出金または完成工事原価または販売費及び一般管理費として処理されなかったものを記載します。
(決算書の表示例=工業用原材料、仮設材料、機械部品、消耗工具器具等) - 販売用資産
兼業事業にかかる「たな卸資産」は、「販売用資産」として計上します。
(決算書の表示例=商品、製品、仕掛品、販売用不動産、兼業事業支出金) - 短期貸付金
決算期後1年以内に返済されると認められるもの。
(決算書の表示例=従業員貸付金、協力会社貸付金) - 前払費用
一定の契約に従い、継続的な役務の給付に基づいて決算期までに提供された役務に対する未払額を計上します。
(決算書の表示例=前払保険料、前払賃借料、未経過保険料等) - 未収入金
完成工事未収入金及び売掛金以外の未収金を計上します。
(決算書の表示例=労災保険料還付未収入金等) - その他
完成工事未収入金以外の未収金や、営業外受取手形、その他決算期後1年以内に現金化できると認められるものを記載します。
(決算書の表示例=JV出資金、立替金、未収入金、仮払金、預り金、営業外受取手形など) - 貸倒引当金
流動資産に属する各債券に対する貸倒見込額を記載します。
(決算書の表示例=貸倒引当金)
- 現金預金
- 固定資産
- 建物・構造物
事業の用に供し、または事業の用に供することを目的として保有する建物および土地に定着する土木設備または工作物を記載します。
(決算書の表示例=建物、倉庫、工作物) - 機械・運搬具
機械および装置や自動車、その他陸上運搬具などを記載します。
(決算書の表示例=機械、車両運搬具、船舶) - 工具器具・備品
各種工具・器具の他、金属製の足場等の仮設材料、什器備品を記載します。
(決算書の表示例=工具、器具、什器備品) - 土地
自社所有の土地の取得価額を記載します。
(決算書の表示例=土地) - 建設仮勘定
自社ビルや工場などの有形固定資産の建設中に支払われた費用を記載します。 - 破産更生債権等
営業取引によって生じた債権および貸付金や立替金等のその他の債権のうち、破産債権、再生債権、再生債権その他これらに準ずる債権で、決算期後1年以内に弁済を受けられないことが明らかなものを記載します。
(決算書の表示例=破産債権、更生債権) - 長期貸付金
流動資産の部に記載された「短期貸付金」以外の貸付金を計上します。
(決算書の表示例=株主役員貸付金、従業員貸付金等) - その他
他の勘定科目に属さない有形固定資産を記載します。
(決算書の表示例=美術品、少額償却資産)
- 建物・構造物
負債の部
- 流動負債
- 支払手形
原材料の購入や外注費の支払い等、営業取引によって発生した手形債務および電子記録債務を記載します。
(決算書の表示例=支払手形、電子記録債務) - 工事未払金
工事に算入されている外注費や材料費等の未払額を記載します。
(決算書の表示例=完成工事未払金、未成工事未払金等) - 買掛金
兼業事業に係る未払金は、買掛金として計上します。
(決算書の表示例=兼業事業未払金等) - 短期借入金
決算期後1年以内に返済するものと認められる借入金を記載します。
(決算書の表示例=短期借入金、役員借入金、手形借入金) - 未払金
固定資産購入代金の未払金、未払配当金およびその他の未払金で、決算期後1年以内に支払わえると認められるものを記載します。
(決算書の表示例=未払金、未払配当金) - 未払消費税等
決算日時点でまだ納付していない消費税および地方消費税の合計額を指します。
(決算書の表示例=未払消費税等) - 未払費用
未払給料手当、未払利息等、一定の契約にもとづき継続的な役務の提供を受ける場合に、提供された役務に対して未払いとなっているものを記載します。
(決算書の表示例=未払給料手当、未払利息) - 未成工事受入金
請負代金の受入金のうち、完成工事高に計上していない前受け金、中間取下げ金等。
(決算書の表示例=未成工事受入金、前受金) - 預り金
営業取引・営業外取引を問わず発生した預り金で、決算期後1年以内に返済されるもの、または返済されると認められるものを記載します。
(決算書の表示例=預り金、所得税預り金、従業員預り金) - 前受収益
前受利息や前受賃貸料等、継続的なサービス提供の契約にもとづいて受け取った代金で、サービスの提供自体は次期以降になるものを記載します。
(決算書の表示例=前受収益、前受利息、前受家賃) - ・・・引当金
修繕引当金、完成工事補償引当金、工事損失引当金等の負債性引当金のうち、債務の発生が1年以内の短期的なものを記載します。
(決算書の表示例=修繕引当金、完成工事補償引当金、工事損失引当金) - その他
営業外支払手形その他決算期後1年以内に支払いまたは返済されると認められるもので、他の流動負債科目に属さないものを記載します。
(決算書の表示例=借受金、営業外支払手形、預り保証金)
- 支払手形
- 固定負債
- 長期借入金
流動負債に記載された短期借入金以外の借入金を記載します。
(決算書の表示例=長期借入金、証書借入、役員借入金) - 長期未払金
支払期日が1年を超える工事に算入されている、外注費や材料費等の未払額を記載します。
(決算書の表示例=完成工事未払金、未成工事未払金等) - その他
長期未払金等、支払期間が1年を超える負債で、他の固定負債科目に属さないものを記載します。
(決算書の表示例=長期未払金、長期前受金、長期預り金)
- 長期借入金
純資産の部
- 期首資本金
会計期間の開始日(期首)における資本金の金額のことです。
前期末の純資産合計と一致します。 - 事業主借勘定
事業主が事業外資金から、事業のために調達した金額を記載します。 - 事業主貸勘定
事業主が事業資金から、自身の生活費等として使用した金額を記載します。 - 事業主利益
個人事業主の事業活動によって得られた利益のことを指します。
当期の利益で、損益計算書の「事業主利益」と一致します。
貸借対照表の5%ルールとは
『貸借対照表』の記載要領には、以下のように記載されています。
『貸借対照表』の記載要領
- 建設業以外の事業を併せて営む場合においては、当該事業の営業取引に係る資産についてその内容を示す適当な科目をもって記載すること。ただし、当該資産の金額が資産の総額の100分の5以下のものについては、同一の性格の科目に含めて記載することができる。
- 流動資産の「有価証券」又は「その他」に属する親会社株式の金額が資産の総額の100分の5を超えるときは、「親会社株式」の科目をもって記載すること。投資その他の資産の「関係会社株式・関係会社出資金」に属する親会社株式についても同様に、投資その他の資産に「親会社株式」の科目をもって記載すること。
- 流動資産、有形固定資産、無形固定資産又は投資その他の資産の「その他」に属する資産でその金額が資産の総額の100分の5を超えるものについては、当該資産を明示する科目をもって記載すること。
- 記載要領6及び8は、負債の部の記載に準用する。
- 「材料貯蔵品」、「短期貸付金」、「前払費用」、「特許権」、「借地権」及び「のれん」は、その金額が資産の総額の100分の5以下であるときは、それぞれ流動資産の「その他」、無形固定資産の「その他」に含めて記載することができる。
- 記載要領10は、「未払金」、「未払費用」、「預り金」、「前受収益」及び「負ののれん」の表示に準用する。
貸借対照表に記載する各科目の金額が、総資産の5%を超える場合は、「その他」としてまとめずに、個別に記載することを求めています。
5.個人事業主の『損益計算書』の書き方例
個人事業主の『損益計算書』の書き方例は、以下のようになります。
青字の項目は、大阪府の様式にはない項目で追加しています。

- 完成工事高
工事完成基準で、当期に完成した工事を計上します。
工事進行基準で当期中の出来高相当額として進捗割合をかけて計上します。
「直前3年の各事業年度における工事施工金額」の該当年度の合計額と一致します。- 兼業事業売上高
建設業以外の事業による売上高を記載します。
- 兼業事業売上高
- 完成工事原価
- 材料費
工事のために直接購入した素材、半製品、製品、材料貯蔵品勘定等から振り替えられた材料費です。 - 労務費
工事に従事した直接雇用の作業員に対する賃金、給料及び手当等です。- うち労務外注費
労務費のうち、外注に支払った費用を指します。
- うち労務外注費
- 外注費
工事のために素材、半製品、製品等を作業とともに提供し、完成することを約する契約に基づく支払額です。 ただし、労務費に含めたものを除きます。 - 経費
完成工事について発生し、又は負担すべき材料費、労務費及び外注費以外の費用で、 動力用水光熱費、機械等経費、設計費、労務管理費、租税公課、地代家賃、保険料、 従業員給料手当、退職金、法定福利費、福利厚生費、事務用品費、通信交通費、交際費、補償費、雑費、出張所等経費配賦額等。 - 兼業事業売上原価
「兼業事業売上高」として計上した売上に対する兼業事業の原価を記載します。
『兼業事業売上原価報告書』の「兼業事業売上原価」と一致します。 - 売上総利益(売上総損失)
完成工事総利益と兼業事業総利益に分けて記載します。
各売上高から売上原価を引いて計算します。- 完成工事総利益(完成工事総損失)
完成工事高から完成工事原価を控除した額。
- 完成工事総利益(完成工事総損失)
- 兼業事業総利益(総損失)
兼業事業売上高から兼業事業売上原価を控除した額。
- 材料費
- 販売費及び一般管理費
- 従業員給料手当 → 管理部門、間接部門の業務に従事する従業員などにたいする給料、手当、賞与を記載します。工事に関わらず、現場にでない人が対象です。
(決算書の表示例=給料手当、賞与、賞与引当金繰入) - 退職金 → 役員および従業員にたいする退職金、退職給与引当金および退職年金掛金を記載します。
(決算書の表示例=退職金、退職引当金繰入額、建退共証紙購入費) - 法定福利費 → 役員および管理部門、間接部門の業務に従事する従業員に対する健康保険、厚生年金保険、雇用保険および労災保険などの保険料の事業主負担額を記載します。
(決算書の表示例=法定福利費) - 福利厚生費 → 慰安娯楽、貸与被服、医療、慶弔見舞等の福利厚生に要する費用を記載します。
(決算書の表示例=福利厚生費) - 修繕維持費 → 建物、車両、機械や装置などの修繕維持費を記載します。
(決算書の表示例=修繕費、修繕維持費) - 事務用品費 → 事務用消耗品費、固定資産に計上しない事務用備品費、新聞、参考図書などの購入費を記載します。
(決算書の表示例=事務用品費、新聞図書費) - 通信交通費 → 通信費、旅費交通費を記載します。
(決算書の表示例=通信費、交通費) - 動力用水光熱費 → 電気、ガス、水道料金の費用を記載します。
(決算書の表示例=水道代、電気代、ガス代) - 広告宣伝費 → 広告や宣伝の費用を記載します。
(決算書の表示例=広告宣伝費) - 貸倒損失 → 営業取引に基づいて発生した受取手形、完成工事未収金などの債権にたいする貸倒損失を記載します。
(決算書の表示例=貸倒損失) - 交際費 → 得意先や士業などの接待費、慶弔費およびお中元やお歳暮の贈答品代を記載します。
(決算書の表示例=接待交際費、慶弔費) - 寄付金 → 国、地方公共団体、社会福祉法人や公益社団法人などへの寄付を記載します。
(決算書の表示例=寄付金) - 地代家賃 → 事務所、寮、社宅などの地代および借地料を記載します。
(決算書の表示例=地代、家賃、賃借料) - 減価償却費 → 管理部門、間接部門に属する固定資産についての減価償却実施額を記載します。工事で使用される機械や車両は、工事原価の経費に記載します。
(決算書の表示例=減価償却費) - 租税公課 → 事務所税、消費税、不動産取得税、固定資産税、自動車税、収入印紙代などの租税および道路占用料などの公課を記載します。
(決算書の表示例=租税公課、消費税) - 保険料 → 傷害保険、火災保険、第三者賠償保険や盗難保険などの損害保険料を記載します。
(決算書の表示例=支払保険料、損害保険料) - 雑 費 → 車内外の打ち合わせや会議の費用、組合などの諸団体会費、荷造運賃など、他の販売費及び一般管理費の科目に属さない費用を記載します。
(決算書の表示例=支払手数料、諸会費、消耗品費、リース料、顧問料、車両費、雑費)
- 従業員給料手当 → 管理部門、間接部門の業務に従事する従業員などにたいする給料、手当、賞与を記載します。工事に関わらず、現場にでない人が対象です。
- 営業外収益
- 受取利息配当金 → 金融機関の預金利息および貸付金などに対する受取利息と、公社債などの有価証券利息と、保有している株式の配当金を記載します。
(決算書の表示例=受取利息、受取配当金、有価証券利息) - その他 → 売買目的株式や公社債等の売却による有価証券売却益や本業以外で家賃収入がある場合の受取家賃など、「受取利息配当金」以外の営業外収益を記載します。
(決算書の表示例=有価証券売却益、受取家賃、雑収入)
- 受取利息配当金 → 金融機関の預金利息および貸付金などに対する受取利息と、公社債などの有価証券利息と、保有している株式の配当金を記載します。
- 営業外費用
- 支払利息 → 金融機関などからの借入金に対する利息のほか、社債および新株予約権付社債の支払利息を記載します。
(決算書の表示例=支払利息、社債利息) - 貸倒損失 → 営業取引以外の取引に基づいて発生した貸付金などの債権に対する貸倒損失を記載します。営業取引に基づくものは販売費及び一般管理費に含めます。
(決算書の表示例=貸倒損失) - その他 → 支払利息、貸倒引当金繰入額および貸倒損失以外の営業費用で、開発費以外の繰延資産の償却額や売買目的の株式、公社債等の売却により損失のほか、手形売却損や雑損失を記載します。
(決算書の表示例=開業費償却、社債発行費償却、有価証券売却損、雑損失)
- 支払利息 → 金融機関などからの借入金に対する利息のほか、社債および新株予約権付社債の支払利息を記載します。
損益計算書の10%ルールとは
『損益計算書』の記載要領には、以下のように記載されています。
『損益計算書』の記載要領
- 「雑費」に属する費用で「販売費及び一般管理費」の総額の10分の1を超えるものについては、それぞれ当該費用を明示する科目を用いて掲記すること。
- 記載要領6は、営業外収益の「その他」に属する収益及び営業外費用の「その他」に属する費用の記載に準用する。
- 「前期損益修正益」の金額が重要でない場合においては、特別利益の「その他」に含めて記載することができる。
- 特別利益の「その他」については、それぞれ当該利益を明示する科目を用いて掲記すること。ただし、各利益のうち、その金額が重要でないものについては、当該利益を区分掲記しないことができる。
- 「特別利益」に属する科目の掲記が「その他」のみである場合においては、科目の記載を要しない。
- 記載要領8は「前期損益修正損」の記載に、記載要領9は特別損失の「その他」の記載に、記載要領10は「特別損失」に属する科目の記載にそれぞれ準用すること。
損益計算書に記載する各科目の金額が、各科目(Ⅲ~Ⅶ)の合計額の10%を超える場合は、「雑費」や「その他」としてまとめずに、個別に記載することを求めています。
日々の地道な記帳と、会計ソフトという強力なツールを活用すれば、青色申告でも白色申告でも、ご自身の事業の「お金の健康状態」を正確に把握し、経営力を高めることができます。
皆さんの建設業の事業が、地域社会に貢献し、ますます発展していくことを心から応援しています!
この情報が、あなたの事業の発展に少しでも貢献できれば幸いです。

