【特車申請】特車申請の申請方法

特車申請には、慣れていないと時間を要します。
「よくわからんけど、何とかなるでしょ」
などと、思ってはおられませんか?
納期が決まっているのであれば、余裕をもって申請する必要があります。
1.特車車両の申請方法
申請方法には、2つあります。
窓口申請
申請書を道路管理者まで直接提出しにいきます。
道路管理者により、郵送での申請は認められません。
オンライン申請
申請経路に、国が直接管理している「直轄国道」が含まれる場合、または大型車誘導区間の許可基準を満たし、申請経路に高速自動車国道が含まれる場合、特殊車両通行許可システムのオンライン上で許可申請を提出します。
オンライン申請のメリットには、以下があります。
- 窓口に出向かなくても申請や許可証の交付が可能です。
- 個別審査がない場合には、許可証発行までの期間が短縮されます。
- 過去の申請データが利用でき、更新時等の申請書作成が簡素化されます。
- 経路を選択しながら、事前に通行条件が分かります。
- 自動車検査証の写しの添付が不要です。(車両によっては必要の場合あり)
特車申請の申請手数料
申請車両と申請経路数に応じた申請手数料を納付し、許可証が交付されます。
申請手数料の計算方法は以下のとおりです。
申請車両台数 × 申請経路数 × 200円
申請車両台数は、トラックやトラクタ(連結車両のヘッド)の台数です。
トレーラ(連結車両の後方部分)の台数は、手数料に影響しません。
申請経路数は、片道1経路です。
往復3経路であれば、6経路でカウントします。
通行経路が2以上の道路管理者にまたがるときに、手数料が必要です。
手数料は道路管理者への協議などの経費です。

2.オンライン申請ができない「新規格車」とは
新規格車とは、高速自動車国道と重さ指定道路を自由に通行できる車両です。
「増トン車」と呼ばれ、大型トラックの積載量を増加させたトラックです。
総重量以外の条件は、「一般的制限値」と同じです。
総重量が20トンのところを、新規格車だと22トン~26トンに増えます。
新規格車は、道路運送車両の保安基準により、ワッペンを車両全面に貼る必要があります。

新規格車で、高速自動車国道と重さ指定道路だけの経路なら許可は必要ありません。
しかし現実には、国道までの経路、高速道路のインターから目的地までの経路にて、都道府県道や市町村道を通行することになると思います。
そのため新規格車の申請先は、県道や市道の道路管理者になり、窓口申請になるケースが多いでしょう。
最初から窓口申請する場合は問題ありませんが、オンライン申請しようと考えている場合には注意が必要です。
3.特車申請の種類
申請には、新規申請と更新申請と変更申請があります。
新規申請
新しく特殊車両を通行させる時の申請です。
更新申請
すでに許可を受けている申請の許可期間を更新します。
特殊車両通行許可には、2年又は1年の有効期間があります。
許可期間の決定の仕方は、事業区分と車両の諸元の関係で決定します。
事業区分と説明 | 通行期間 |
---|---|
事業区分:路線 路線を定める自動車運送事業用の車両 (例:路線トラック、定期便トラック | 最大2年 |
事業区分:区域 上記、路線以外の自動車運送事業用の車両 (例:区域トラック、海上コンテナ、その他の営業車) 事業区分:その他A 上記、路線、区域以外で、通行経路が一定し、反復継続して通行する車両 (例:営業車以外の自家用車で、クレーン車等) | 最大2年以内 (一定の寸法または重量を超える車両は1年以内) |
事業区分:その他B 上記、路線、区域、その他A以外の車両で、一回限り(反復継続しない)通行する車両 (例:発電機等を運ぶ車両で一回限り) | 必要日数 (ただし1年以内) |
期間を過ぎて許可を継続する場合、有効期間までに申請をする必要があります。
有効期間が過ぎてから申請をした場合、新規申請と同じ扱いになります。
変更申請
すでに許可を受けている申請内容(許可期間を除く)を、変更する申請です。
新規申請時と同一窓口に申請すると、変更のない添付書類の提出は省略できます。
- 車両の変更
- 申請者の変更
- 通行経路の変更
- 積載貨物の変更
標準処理期間について
新規申請や変更申請の場合は、申請書を受理されてから3週間以内、更新申請の場合は2週間以内が標準的な処理期間になります。
しかしあくまでも目安であり、最近は特車の許可を取る会社が増えてきているので、もっと時間がかかる可能性が高いです。
ちなみに大阪市の標準処理期間は、6週間です。
https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000371635.html
標準処理期間には、下記の条件があります。
- 申請経路が、道路情報便覧に記載の路線で完結している(収録道路で完結)
- 申請車両が超寸法車両および超重量車両でない
- 申請後に、申請経路や諸元などの申請内容の変更がない
これらの条件を全てクリアするケースは、難しいことです。
実際には、2か月、3か月とかかることも普通です。
道路の管理者が複数にまたがると、窓口の行政庁が他の道路管理者と協議します。
お互いに独立した権利主体であるため、なかなか時間を要するようです。
申請者側で時間を早めることは限られており、余裕を持って早めに申請しましょう。
車両の変更や通行経路の変更では、通行条件が変わるため新規申請と同様の審査期間になります。
軽微な変更の場合は審査が不要であるため、窓口により1週間程度で許可証を取得できる場合があります。
変更申請も新規申請と同様の申請手数料がかかります。(車両台数×経路数×200円)
軽微な変更の場合、審査は不要のため申請手数料はかかりません。
また一度に申請する車両の台数によって、申請の仕方が変わります。
普通申請
車両を1台ずつ申請します。
単車はそのまま1台、連結車はトラクタとトレーラの1組で1台と数えます。
トラクタとトレーラーの組み合わせを変更すると、変更申請の手続きが必要です。
車両の大幅な変更があった場合、変更された車両だけを変更手続きするだけなので融通がきく面もあります。
包括申請
車両2台以上をまとめて申請します。
許可証は車両用は台数分必要ですが、会社控え用は1部で済みます。
車種、通行経路、積載貨物、通行期間は、同一でなければなりません。
重量、長さ、高さ、軸重など、一番厳しい条件で審査されます。
申請する車両が寸法(幅、長さ、高さ)のみ一般的制限値を超える場合は、軸種を問わず包括的に申請ができます。(複数軸種申請)
【軸種1種類の場合】
- 車種が同じであること
- 積載貨物が同じであること
- 通行経路が同じであること
- 通行期間が同じであること
【複数軸種の場合】
- 車種が同じであること
- 通行区分が同じであること
- 事業区分が同じであること
- 積載貨物が同じであること
- 車種区分の車両分類は、全て「一般」であること
- 通行経路が同じであること
- 通行期間が同じであること
組み合わせの車両について不許可となる場合は、その申請に含まれている車両はすべて不許可となりますので注意が必要です。

4.自動車検査登録前に特車申請
特車申請では、車両諸元などの確認で車検証(写し)が必要となります。
納車したらすぐ走らせたい場合は、車検証発行前に特車申請することができます。
車検証(写し)の代わりに、車両諸元が確認できる諸元表や外観図が必要となります。
車検登録後、速やかにFAXなどで車検証(写し)を提出します。
車検証(写し)と車両諸元が大きく異なっていると、審査のやり直しになるため注意が必要です。
必ず申請前に、事務所窓口の相談が必要となります。
特にオンライン申請の場合、事前相談無しに送信すると、必要書類不備により受理されず差し戻しとなります。

5.まとめ

大まかに、まとめてみると。
- 申請方法には、窓口申請とオンライン申請がある。
- 申請には、新規申請と更新申請と変更申請がある。
- 新規格車では、オンライン申請ができない。
- 一度に申請する車両の台数によって、普通申請と包括申請がある。
- 包括申請では、車種、通行経路、積載貨物、通行期間は、同一でなければならない。
- 包括申請では、一番厳しい条件で審査される。
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