【特車申請】特殊車両と道路の種類

特殊車両と道路

日本には、様々の道路の種類があります。

「許可さえとれば、適当に走ればいいでしょ」

などと、思ってはおられませんか?

通行する道路の種類によって、許可の申請方法が違ったりするので注意が必要です。

1.基本となる3つの道路

高速自動車道

各高速道路会社が管理している道路です。
自社の高速道路を通行する経路のみが、審査の対象です。

一般道や他社の高速道路は審査しないため、特車申請では申請することはないでしょう。
各高速道路には、以下があります。

  • 東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)
  • 中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)
  • 西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本)
  • 首都高速道路株式会社
  • 名古屋高速道路公社
  • 阪神高速道路株式会社

高速道路の車両総重量は、原則は最大44トンまでです。
車両の諸元によっては、減トンを強いられることもあります。

車両幅もNEXCO管理の高速自動車国道は、3.0mまでは許可が下りますが、その他の高速国道では、2.5mまでしか許可が下りなかったりします。
それぞれの道路管理者に、確認が必要とするところです。

一般国道

国道だから全て国が管理しているわけではありません。
国が直接管理している「直轄国道」と、都道府県が管理している「補助国道」があります。

オンライン申請は国土交通省のシステムなので、直轄国道を通行していれば「オンライン申請」をすることができます。

補助国道の申請では「窓口申請」となり、申請先が都道府県庁又は地域を管轄する土木事務所の場合があります。

市区町村道

市区町村が管理している道路です。
申請では「窓口申請」となり、申請先が市区町村になります。

オンライン申請では、道路情報便覧と言われるシステムを利用します。
道路情報便覧に載っている道路を「収録道路」と言い、載っていない道路を「未収録道路」と言います。

市区町村道の場合は、未収録道路の場合が多いです。
道路名が分からないため、道路管理者に問い合わせなければなりません。
道路管理者が不明な道路であれば、道路管理者を先に探しだす手間が発生します。

未収録道路が含まれていると、個別審査が行われるため、どうしても審査期間が長くなります。
ちなみに政令指定都市以外の市町村では、一括申請をすることができません。
国や県への一括申請は可能ですが、市町村では気を付ける必要があります。

2.特殊車両で有効に活用したい道路

大型車誘導区間

道路の老朽化対策で、大型車両を望ましい経路へ誘導し、適正な道路利用を促進するために指定された道路です。

高速道路や直轄国道は、都心部の区間やバイパス整備後の直轄国道の区間などを除いて、原則指定されています。
主要港湾・空港・鉄道貨物駅を結ぶ地方管理道路なども「大型車誘導区間」として指定されています。

大型車誘導区間のみを通行する場合、申請から許可までの期間が従来の20日程度から最短で3日程度に短縮することができます。
個別の道路管理者への協議が不要になるため、申請者によって大きなメリットになります。
また大型車誘導区間のみを通行すると、1経路当たりの手数料が通常の200円から160円になります。

重さ指定道路・高さ指定道路

重さ指定道路

総重量の一般的制限値を、車両の長さ及び軸距に応じて「最大25トン」にする道路です。

重さ指定道路
出典:関東地方整備局「特殊車両通行ハンドブック2020」より引用

高さ指定道路

高さの一般的制限値を「4.1m」とする道路です。
重さ指定道路の場合と同じで、普通の道路よりも制限が緩い道路です。

指定道路は、迂回が必要な区間等特に必要となる箇所には、以下の案内標識が設置されます。
ただし、指定道路であっても、標識を設置しない場合があります。

指定道路の標識
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3.まとめ

大まかに、まとめてみると。

  • 直轄国道を通行していれば「オンライン申請」をすることができる。
  • 未収録道路が含まれていると、個別審査が行われるため、どうしても審査期間が長くなる。
  • 政令指定都市以外の市町村では、一括申請をすることができない。
  • 大型車誘導区間のみを通行する場合、申請から許可までの期間が従来の20日程度から最短で3日程度に短縮できる。
  • 重さ指定道路・高さ指定道路は、普通の道路よりも制限が緩い道路である。

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