【産廃】収集運搬する際は、適した容器を使用する必要があります。

収集運搬する際は、適した容器を使用する必要があります。
収集運搬する際は、適した容器を使用する必要があります。

こんにちは。
大阪府吹田市の行政書士 岩田眞と申します。

産業廃棄物は、種類によって性質や形状が異なります。
収集運搬する際は、飛散・流出したり、悪臭が発生しないように適した車両と容器を使用する必要があります。

この記事では、収集運搬業許可を受けたい方に向けて説明しています。

1.運搬容器の主な種類は?

法令では、「生活環境の保全上、支障を生じないように必要な措置を講ずること」と定められています。
そのため、以下のような運搬措置が必要となります。

  1. 飛散防止用シートで覆う
  2. 運搬容器を使用する

運搬容器には、主に以下のものがあります。

  1. ドラム缶(オープン/クローズ)
    値段が安く、運搬容器として一番よく使われています。
    固形物や粉末状の廃棄物を入れるなら、ふたが取り外せるオープンタイプ。
    液状の廃棄物を入れるなら、ふたが固着しているクローズタイプを使用します。
  2. フレコンバッグ
    布などの柔軟性のある素材が使われていて、袋状になっています。
    値段が安いのですが、耐久性は低く、使い捨ての運搬容器として使われます。
    液状の廃棄物を除き、幅広い種類の廃棄物に対応できます。
  3. ケミカルドラム缶(オープン/クローズ)
    鋼製ではなく、内部がプラスチック素材になって耐食性に優れています。
    廃酸や廃アルカリなど、腐食性のある廃棄物の場合に使用します。
  4. ポリタンク
    液体の廃棄物が少量の場合は、ポリタンクで運搬ができます。
    腐食性のある場合は、プラスチック容器が適しています。
  5. バッカン(鉄箱)
    鉄製の容器で、脱着式コンテナとも呼ばれます。
    腐食しない廃棄物を、一時的に保管できます。
    大量の産業廃棄物が発生する現場で、使われているケースが多いです。
  6. 感染性廃棄物専用の容器
    感染性廃棄物専用の容器を使用し、しっかり密閉して感染拡大を防止しなければなりません。
    また容器には、感染性廃棄物であることが分かるように表示しなければなりません。
    容器ごと焼却施設等に投入し、容器は使い切りです。

「水銀使用製品産業廃棄物」の収集運搬で気を付けること

産業廃棄物の一般的な収集運搬に係る処理基準に加え、次の処理基準が適用されます。

  1. 他の物と混合するおそれのないように、仕切りを設ける等必要な措置を講ずること
  2. 破砕しないように容器に入れる等、必要な措置を講ずること(破砕禁止)

水銀含有ばいじん等」の収集運搬で気を付けること

産業廃棄物の一般的な収集運搬に係る処理基準に加え、次の処理基準が適用されます。

  1. 蓋付の容器に入れる、二重に梱包する、シートで覆う等、運搬中に揮発した水銀が運搬容器又は梱包から漏れることのないような措置を検討すること
  2. 高温にさらされないために、必要な措置を講ずること

「廃石綿等」「石綿含有産業廃棄物」の収集運搬で気を付けること

産業廃棄物の一般的な収集運搬に係る処理基準に加え、次の処理基準が適用されます。

  1. 廃石綿等は他の廃棄物と混ざらないよう留意すること(混載禁止)
  2. 荷台での容器の転倒、移動を防ぐための措置を講じること
  3. 廃石綿等を収納するプラスチック袋又は容器には、個々に廃石綿等である旨及び取り扱う際に注意すべき事項を表示すること
  4. 石綿含有産業廃棄物についても、廃石綿等に準じ、覆いや袋詰め容器等に石綿含有産業廃棄物である旨等を表示することが望ましい

2.産業廃棄物に適した容器の組み合わせ例

自治体により見解が異なるケースがありますが、組み合わせ例です。

容器なしドラム缶(オープン)ドラム缶(クローズ)フレコンバッグケミカルドラム缶(オープン)ケミカルドラム缶(クローズ)ポリタンクバッカン
燃え殻
汚泥
廃油
廃酸
廃アルカリ
廃プラスチック類
ゴムくず
金属くず
ガラス・コンクリート・陶磁器くず
鉱さい
がれき類
ばいじん
紙くず
木くず
繊維くず
動植物性残さ
動物系固形不要物
動物の糞尿
動物の死体

3.気を付けるべき点

土砂運搬禁止車両の場合は、容器が必要です。
液状の廃棄物を容器なしで運搬できる車両を使用する場合は、容器は不要です。

初めて収集運搬業許可を受けるには、自社のみの力で手続きを処理するのは、なかなか難しいと思います。

「収集運搬業許可の受け方がわからない」

という方は、一度ご相談下さい。